お寿司屋さんの歩き方

カニ

魚介類の中でも、嫌いな人は少ないと考えられるのがカニです。ぷりぷりした身と、濃厚なコクをもつカニミソ。ほじくり出して食べるのに集中するためカニを食べると無言になってしまうといわれています。大から小まで種類が豊富なカニは、寿司ネタにおいても人気の高い食材なのです。

カニの一般知識

日本名/英名

蟹(カニ)/Crab(Cancerも由来)

カニの分類

甲殻綱エビ亜綱エビ下綱ホンエビ上目エビ目エビ亜目カニ下目

カニの生態  

カニは主に海に生息しています。中には川などの淡水や、陸上で生活するものもいます。カニは卵から孵化するとプランクトン程度の大きさのゾエア幼生になります。ゾエア幼生の状態では、他のプランクトンを捕食しながら海中を遊泳しやがてメガロパ幼生に成長します。メガロパ幼生から数度の脱皮を経て稚ガニに成長するとカニらしくなってきます。この状態になって初めて、カニは自分に適した生息環境で生活できるようになるのです。中には生きている貝の中に生息するカニまでいるそうです。また、カニのハサミは外敵と戦うためのものではなく、餌を掴んだりするために使うようです。

カニの旬の時期

◎ カニのオススメ度
おいしさ
歯ごたえ
好き嫌い
価格
香り
★★★★★ 5
★★--- 2
★★★★★ 5
★★★★- 4
★★★★- 4

食用のカニは種類が豊富なので、ほぼ一年中旬を迎えたカニが食べられることになります。

カニの種類

カニは種類豊富ですが食用に適するものはごく一部です。寿司ネタとしては主に脚を使いますが、軍艦巻きに仕立てたカニミソを食べさせてくれるお店もあります。

ズワイガニ

身近なカニの一つに挙げられるのがこのズワイガニです。北海道・東北以外の地域で漁獲されます。山形の舞鶴港、福井の越前港で揚がるズワイガニは「松葉ガニ」「越前ガニ」と呼ばれ、高級ブランドとなっています。

タラバガニ

もっともポピュラーなカニですが、実はヤドカリの仲間に属します。見た目に脚が六本しかないのが特徴です。タラバガニは身が大きくぷりぷりしていて、煮てよし焼いてよし生でよしの三拍子揃ったカニの王様です。出回っている量も多く、缶詰なども見かけます。

アブラガニ

近年、その存在が一般的に知られるようになったタラバガニの仲間です。見分ける特徴は背中にある突起がタラバガニは六個に対しアブラガニは4個しかないことです。しかし、脚だけにされると素人には区別が付きづらいのですが、最近は素性を明らかにした上で市場に出回っています。味はタラバに似ていますがタラバほど美味しいとはいえません。名前の由来は身に脂が乗っているからではなく、生きている時の甲羅が油を落としたような青色をしていることにあります。

花咲ガニ

タラバガニの仲間で、主に北海道東部の海で漁獲され花咲漁港に水揚げされることからこの名前が付きました。サイズはあまり大きくなく、主に味噌汁などの具材に使われます。他のカニに比べて脂の乗りがよく、生食には向いていないといえます。

毛ガニ

北海道などで水揚げされるカニの代表格です。その名の通り、甲羅の突起から短めの太い毛が生えています。毛ガニの最大の魅力はなんと言ってもカニミソにあります。他の食用カニと比較してもその量が多く、しかもねっとりとした食管と濃厚なコクが他のカニよりも強いのです。身はタラバやズワイに比べたら小さい方ですが、カニミソに負けない美味さを持っています。

クリガニ

毛ガニの仲間で、毛ガニに良く似ています。しかし、毛ガニほどカニミソは多くなく味も毛ガニほどではないので、低価格で売られていることが多いカニです。毛ガニとクリガニの関係は、タラバガニとアブラガニのそれに良く似ていますがクリガニが毛ガニほど美味しいものではないのが大きく違うところです。

カニで健康!ヘルシー!

カニに含まれている成分は、このような効果を齎してくれます。

健康な体をつくる

カニは水分の多い魚介類で、茹で上げたカニは身を殻から取り外そうとするだけで汁が溢れ出ます。この汁にも栄養分が含まれているので、逃さないように食べたいものですね。カニの身はたんぱく質が豊富に含まれていて、健康な身体を作るためには欠かせない食品ともいえます。また、旨味の元になるアミノ酸も含んでいるのも見逃せません。他にも亜鉛やタウリンと言った栄養素も含まれているのがカニのえらいところです。また、カニの殻にはキチン・キトサン・アスタキサンチンといった生活習慣病に効果のある栄養素が含まれていることも注目されています。サプリメントなどでも人気の高い栄養素ですから殻ごと食べられるカニや調理法は、取り入れていきたいものですね。

カニの美味しい食べ方

カニはその旨さから、さまざまな食べ方が考案されてきました。

カニの鍋・味噌汁

カニの醍醐味というべき食べ方です。カニの旨味を残さず食べる方法としては最も効果的な食べ方です。ぶつ切りにしたカニを鍋に入れて出汁をとり、味を調えてたっぷりの野菜と一緒に頂くのが良いようです。鍋には毛ガニが、味噌汁にはワタリガニなどが良く使われます。

茹でガニ

もっとも単純でありふれた調理法ですが、ぷりぷりしたカニの食感がストレートに味わえます。ほんのりと甘いカニの身肉から滴る旨味の汁を啜るように齧り付く快感を、もっとも確実に味わえる料理です。

焼きガニ

カニは茹でても美味しいのですが、焼くと更に香りが立ちます。香ばしい香りと、熱が入って凝縮された身肉の旨味を存分に味わえる最高の料理法として、知られています。

カニの洗い

軽く茹でたカニの身肉を冷水に晒して、花開かせたカニの洗いは職人の技法が発揮された料理です。料亭や高級寿司屋などに行かないと食べられない料理ですが、その手間に見合うだけの味が約束されています。

カニしゃぶ

カニを使ったしゃぶしゃぶです。自分の好きな火の通りを加減できるので、人気が高い料理です。ポン酢などを邪魔にならない程度につけて食べると、口の中にカニの旨味が広がります。締めは雑炊に仕立ててカニの旨味を存分に吸ったご飯を味わいましょう。

カニの丸揚げ

サワガニなどの小さなカニは、殻ごとカラリと油で揚げていただきましょう。パリッサクッとした殻の食感と、小さくてもしっかりしたカニの旨味が味わえる一品です。

直感寿司占い・カニ編

一番始めにカニ(蟹)の寿司ネタを選んだアナタはずばり「厳しく優しいタイプ」でしょう! カニは固い甲羅に覆われており、身を食すためには殻をはがすという手間をかけなくてはいけません。また甲羅の中には甘くておいしい味噌も含まれております。そんなアナタは表面上は「怖い」「厳しい」といわれたりしますが、それは本人のことを思っての行動であり、本当の優しさを兼ね備えた人物と言えるでしょう。ただ、このことを理解してくれる方が周囲にいなければ孤独になってしまうこともしばしばあります。自分のことをきちんと見てくれている方がそばにいると、よりよい人生を送ることが出来でしょう。

コラム

カニと身体の格言

カニは横にしか移動できないことが良く知られています。外敵に顔を向けたまま横に移動して様子を窺う姿を浜辺なので目撃することもしばしばです。そんなカニの姿に由来する「蟹の横這い」という格言があります。これは『他人から奇異に見られても自分の適したやり方がある』という意味と、『物事の本質から徐々にずれていく』という意味があります。また、脚が外側に開いた歩き方を『がにまた』といいますが、漢字では『蟹股』と書くのです。このように、昔の人はカニの姿に様々な思いを巡らせていたのです。


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