お寿司屋さんの歩き方

アナゴ

江戸前寿司の定番として有名なネタの一つに含まれるアナゴは、その手間のかかる工程に見合うだけの味を秘めています。ウナギのような外観とは裏腹に脂っこくない旨味のアナゴ。その美味さと魅力に迫ります。

アナゴの一般知識

日本名/英名

穴子(アナゴ)/Common Japanese conger

アナゴの分類

硬骨魚網ウナギ目アナゴ亜目アナゴ科

アナゴの生態  

アナゴという名前は江戸時代に「砂地などの狭い穴に潜んでいるから穴子」と命名されたと言います。実はアナゴは今でも生態の全てが明らかになってはいません。産卵場所や産卵期を迎えたアナゴが網にかかることがめったに無いためです。アナゴの稚魚をはじめとするウナギ目の稚魚はレプトケファルス幼生と呼ばれる、透明で細長い姿を持っています。マアナゴのレプトケファルス幼生は「のれそれ」と呼ばれ高知地方の特産品となっています。このレプトケファルス幼生の頃は砂地には潜まず、岩陰などに潜んで餌をとっているようです。

アナゴの旬の時期

◎ アナゴのオススメ度
おいしさ
歯ごたえ
好き嫌い
価格
香り
★★★★- 4
★★★-- 3
★★★-- 3
★★★-- 3
★★--- 2

アナゴの旬は、主に夏になります。前述の通り、産卵期のアナゴは網にも釣り針にもめったに掛からないため、夏が産卵期というわけではないようです。

アナゴの種類

アナゴは世界に150種類以上存在すると言われています。日本では釣りの対象にもなっていますが、ぬるぬるした表面などから時には外道扱いされることもあります。

マアナゴ

日本で最も多く消費されているのがこのマアナゴです。お寿司屋さんなどで釘を打って頭を固定する目打ちを行って捌く姿がよく見られます。基本的に日本全国で獲れる魚です。

クロアナゴ

マアナゴの同類ですが、マアナゴよりも大きく成長するのが特徴です。時には1mを越えるほどに成長したクロアナゴが水揚げされます。

チンアナゴ

食用ではありませんが、昨今流行しているスキューバダイビングで時々見受けられるアナゴです。「ムーミン」のニョロニョロのように、砂地から頭を出して周囲を窺う姿がユーモラスなアナゴです。

アナゴで健康!ヘルシー!

アナゴに含まれている成分は、このような効果を齎してくれます。

老化防止や風邪予防

アナゴには肌を整え風邪を予防するビタミンAと、老化防止に効果的なビタミンEが含まれた美容にいい食材の一つです。他にもビタミンD、DHAやEPAが含まれており、動脈硬化などの生活習慣病にも効果的な成分が含まれています。また、アナゴの表面のぬるぬるの主成分であるムコプロテインは、胃の粘膜を保護し消化を助けてくれる働きを持っています。

アナゴの美味しい食べ方

アナゴは江戸前寿司の時代から親しまれてきた魚だけに、調理法も定番のものがほとんどです。それは歴史の積み重ねの中で美味しい食べ方だけを求めてきた研鑽の証明でもあるのです。

アナゴの握り

江戸前寿司において、マグロのヅケに並ぶ定番の一つです。アナゴはウナギよりも脂肪分が少ないので、「詰め」と呼ばれる醤油をベースにしたタレを塗ります。老舗のお寿司屋さんでは、この詰めを大事にしていて『創業以来、作り足しをしながら味を深めてきた』と言われる詰めを家宝にしている店もあるほどです。

あなきゅう

同じく江戸前寿司発祥のアナゴを使った寿司です。こちらは瑞々しいきゅうりと一緒に巻いた巻き寿司です。しゃきしゃきしたきゅうりの食感と瑞々しさがアナゴの味の濃さを抑え、何個でも食べられるほどにさっぱりとした味わいを醸し出します。

アナゴの蒲焼き

ウナギの仲間であるアナゴは、寿司ネタ以外で食べるのであればやはり蒲焼きにするのが一番です。脂っこさが少ない分、タレで引き立てられた旨味が強いのが特徴です。ご飯に乗せて丼に仕立てて食べるのがごく一般的な食べ方です。

のれそれの踊り食い

前述のように、高知地方ではアナゴの稚魚であるレプトケファルス幼生を「のれそれ」と呼んでいます。ウナギの稚魚であるシラスと一緒に獲れることが多いため、高知ではこののれそれを名産品の高知酢で踊り食いするのが最高の珍味とされています。

直感寿司占い・アナゴ編

一番始めにアナゴ(穴子)の寿司ネタを選んだアナタはずばり「人付き合いのよいタイプ」でしょう! ウナギとアナゴは似ておりますが、ウナギよりも敷居が低いため多くの人に人気の寿司ネタです。一般家庭の食卓にも抑顔を出しますよね。そんなアナタはどなたとでも態度を変えることなく平等に付き合うことの出来る人物と言えます。仕事における接待から友人の飲み会まで幅広く出席するため友人も多いことでしょう。ただ、派閥争いに巻き込まれたり、グループや班をつくるとき、どこに所属すると良いか大変悩むこともあります。そのため、人付き合いもほどほどにしておくことも大切と言えるでしょう。

コラム

アナゴさん

インターネットをしている若い人の間では、「アナゴ」と言えば魚よりもサザエさんの登場人物のアナゴさんが先に思い浮かぶようです。その外見からは想像できないほどの渋くて力強い声質には、熱狂的なファンが多く存在しています。このアナゴさんの声を当てているのは、若本規夫さん。「投稿!特ホウ王国」のナレーションなどでお茶の間にも馴染みのある方です。最近はJAバンクのコマーシャルでもその声を耳にしますが、最近の人気からか少々アナゴさんらしからぬ演技になってきたように思うのは私だけなのでしょうか。


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