お寿司屋さんの歩き方

アカガイ

江戸前寿司の定番の一つで、貝類独特のプリプリシコシコした食感が味わえるのが赤貝です。近年は輸入物が全盛ですが、どうせなら少々お高くなった国産の赤貝を食べてみたいものです。

アカガイの一般知識

日本名/英名

赤貝(アカガイ)/Ark shell

アカガイの分類

二枚貝綱フネガイ目フネガイ科

アカガイの生態

赤貝の生息水域は日本近海から遠くは東シナ海にまで及びます。赤貝の別名「血貝」は、その身が血に染まったように赤いことに由来しています。この赤さは色素の働きではなく、哺乳類と同じく血液にヘモグロビンが含まれていることによるものなのです。赤貝は、主に泥に近い海底に生息し口をあけてはプランクトンを摂取しています。赤貝の殻には42本の溝が刻まれているので、近縁種のサトウガイなどとの見分けがつきやすいのも特徴です。また、赤貝は寿司ネタにする場合大ぶりのものよりも小ぶりのものの方が珍重されています。赤貝は江戸前寿司の定番の一つであることからもわかるように、東京湾でも獲れていたのですが、近年では漁獲量も激減し輸入物や国産養殖物のほうが多くなっています。

アカガイの旬の時期

◎ アカガイのオススメ度
おいしさ
歯ごたえ
好き嫌い
価格
香り
★★★★- 4
★★★-- 3
★★★-- 3
★★★★- 4
★★--- 2

赤貝は晩夏に産卵期を迎えます。その為、身肉が太くなってくる春から夏にかけて旬を迎えます。

アカガイの種類

赤貝の属するフナガイ科には、赤貝に良く似た近縁種が様々に存在しています。赤貝の近縁種はどれも殻に溝が刻まれているのが特徴です。

サトウガイ

サトウガイに刻まれている溝の本数は38本で、昔は赤貝と混同され市場に流通していました。しかし、味も赤貝に負けることはなく千葉県の九十九里では赤貝として流通しています。名前の由来は、幕末に活躍したイギリスの外交官アーネスト・サトウにちなんだものです。

サルボウ

「猿の頬のようだ」と言うことからこの名が付きました。漢字を当てると「猿頬」になります。見た目は小ぶりの赤貝で、溝は32本になります。その見た目などから「小赤」として市場に出回っています。赤貝煮付けの缶詰はほとんどがこのサルボウです。

ハイガイ

現在、絶滅危惧種に指定されている赤貝の近縁種です。溝は17本から18本で、かなり小ぶりな貝です。現在は有明海で小規模に漁獲されているようですが、諫早湾干拓事業の影響が心配されています。

アカガイで健康!ヘルシー!

アカガイに含まれている成分は、このような効果を齎してくれます。

貧血解消

赤貝にはヘモグロビンが含まれているため、鉄分が豊富に含まれています。また、ビタミンB12も含まれているので貧血気味の方にはおススメの食品の一つです。また、貝類の旨味成分であるアミノ酸のコハク酸も含まれているのも特徴です。他にも最近話題のデトックス成分であるグルタチオンが含まれているので、女性の方にはぜひ食べていただきたい食品と言えます。

アカガイの美味しい食べ方

煮付け

ひたひたの水に晒して、よく泥を抜いたあとは醤油で煮付けるのが赤貝の定番の一つです。臭みも抜けて醤油の旨味が染み込んだ赤貝の煮付けは、ご飯が良くすすむ最高のお惣菜の一つですね。

刺身

新鮮な赤貝は刺身にして頂くのが、最高に美味しい食べ方です。ちょっと苦味のあるヒモは好みに応じて外してもらいます。身と肝をワサビ醤油やポン酢にくぐらせて食べるのが最高に美味です。

握り・ひもきゅう

寿司ネタとしての赤貝は「玉」と呼ばれます。赤貝は基本的に握り寿司にしていただきます。赤貝の赤身とシャリの白さが抜群のコントラストとなって、食欲をそそります。また、取ってしまったヒモはきゅうりと一緒に巻いて、ひもきゅうの巻き寿司になります。ひもきゅうはヒモの苦味がきゅうりの清涼感で抑えられてさっぱりと味わえる一品です。

直感寿司占い・アカガイ編

一番始めにアカガイ(赤貝)の寿司ネタを選んだアナタはずばり「人とは違った価値観の持ち主」でしょう! 貝類の寿司ネタでもたいへんポピュラーなアカガイ。歯ごたえのある食感が特徴的ですが、好き嫌いがはっきり分かれるタイプと言えます。そんなアナタは、ちょっと趣向のかわったものに興味を抱く思考の持ち主と言えます。また、人とは違った物を追い求める傾向にもあります。物事に対して、のめり込みやすいやすいのですが、一方で飽きやすい性質を持っています。趣味を活かすことが上手いため人生を楽しむことが出来ますが、金銭面ではだらしないところがありますので、注意するようにしましょう。

コラム

貝殻の使い道

赤貝は、縄文時代の貝塚から貝殻が見つかるほどの昔から日本人に愛されてきた食材です。しかし、これを逆に言えば貝殻は何千年もの間原型を留め続けるということでもあります。ゴミとして捨てられる運命の貝殻を利用しようという動きは、幾度となく行われてきました。例えば、海を埋め立てる時に混ぜ込んだり田んぼの水はけを良くする為に使ったりと様々な使い道が考えられてきました。そして近年、赤貝の近縁種であるサルボウの貝殻を使った水質浄化システムが考案されたのです。このシステムは、サルボウ貝殻に生息する微生物の力で水に含まれる汚染物質を分解して水を綺麗にすることが出来るのです。本来はゴミになるはずの貝殻を使うのでコストも抑えられるというメリットも持っています。このような使い道を増やすことこそが、将来的な水産資源の維持にも繋がっていくのです。

 


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