お酢にはもともとお酢独特の香りがあります。穀物酢でも果実酢でも、原料となるものによってそれどれ独特のかおりがありますが、中にはお酢の香りが苦手…という人も多いようです。しかし、果物や野菜、薬味など酢となじみやすい食材を利用して酢に香りをつけた「香り酢」はお酢の香りだけでなく味もまろやかにしてくれる効果があります。
香り酢は、漬け込んで作る果実酢と同じような方法で作られるものと、乾燥させた香草・薬味を漬け込んで作るものがあります。また、ドリンク用に作る香り酢の場合には紅茶や中国茶で使われる花を使って香りをつけるのもいいと思います。また、昔から和食の和え物などに使われている「香り酢」はゆずや浅葱などを刻んだものに酢や他の調味料を加えた独特のドレッシングのようなもので、「揚げなすの香り酢あえ」「かきの香りポン酢」など料理を作る工程の一つとして使われてきました。乾燥させたものを利用する場合には、乾燥させた薬味などはそのままずっと漬け込んだまま使います。何回か酢を継ぎ足して使うこともでき、長期間漬け込むことで薬味独特の味や香りが染み出して香り酢の味や香りがより一層独特のものに変化していきます。乾燥させていない食材を漬け込む場合にも食材が崩れてこないものであれば、そのまま漬け込んで使うことが出来ます。
香り酢に使うお酢にも食材にも特に決まりはありません。自分で色々試してみることが出来るのが香り酢の楽しみ方の一つでもあります。しかし、比較的強めの香りが付いている酢に独特の強い香りの薬味や果物を加えてしまうとバランスが悪くなってしまうことがあります。香り酢を作るときには、出したい香りを上手く引きたてられるようなお酢を使うと良いでしょう。また、和食用の調味料やドリンク酢にして飲んだり割ったりする用の御酢など、使う用途に合わせて香りを使い分けるのも楽しいと思います。初めはクセのない穀物酢をベースに自分の好きな香りの食材を漬け込んだり、エキスを絞って加えて利するのがお勧めですよ。
さっぱりとした穀物酢にゆずとしょうがを漬け込んだものは和食にもドリンクにもぴったりです。市販のゆず酢を使って作るのも簡単でお勧めです。
ゆず生姜の香り酢と玉ねぎを使うと簡単なドレッシングを作ることが出来ます。玉ねぎを細かいみじん切りにします。フードカッターなどで細かく砕くとさらに玉ねぎのエキスがでて美味しくなります。そこにゆず生姜の香り酢とごま油を少々加えて混ぜ合わせたら出来上がりです。さっぱりとした香りと味が食欲増進と玉ねぎやゆずの成分で血液がサラサラになる効果も期待できます。
ゴマの香ばしい香りを閉じ込めた香り酢もお勧めです。ほうじ茶と組み合わせることで香ばしさが一層増します。黒酢を使ってまろやかな香り酢にするのがお勧めの、ちょっと変わった香り酢です。
食用の花を使った香り酢は見た目にもちょっと素敵です。甘めに作ってドリンク用の香り酢として使うのがお勧めです。りんご酢を使うとまろやかになります。
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