現在の健康ブームの中で注目度の高いキーワードは、「食べるだけでやせる」「デトックス」です。手軽にダイエットできることが現代人にとっては魅力的な内容なのです。
この二つのキーワードを内包した新しいダイエット法が注目を浴びています。それが野菜スープダイエットなのだそうです。今回は野菜スープを使ったダイエット法を検証していきます。
野菜スープダイエットは、「特定の野菜を使ったスープだけを一定期間食べ続けることで体内の脂肪を燃焼させ体重を減らす」という、手軽なダイエット法として注目を浴びています。
コンビニのお弁当などで、栄養バランスが崩れがちな現代人にとってはうってつけのダイエット法であるともいえます。
野菜スープにはデトックス効果まである!?
また、野菜スープダイエットを実行すると身体に有害とされている水銀やカドミウムなどの重金属を、体外に排出するデトックス効果が現れるとも言われています。このデトックス効果を謳った健康食品や岩盤浴が非常に高い人気を受けているのです。
野菜スープに含まれる食物繊維によって、腸内洗浄とデトックス効果を発揮するというのが野菜スープダイエットの利点と言われています。
野菜のビタミンで免疫力アップ!?
また、「野菜の豊富なビタミンの力で身体のバランスを整え免疫力を向上させる働きがある」と謳っている野菜スープのレシピもあります。
野菜が不足すると、身体のバランスが崩れて風邪を引きやすくなったり、ケガの治りが遅くなったりするので野菜を摂るという観点から見れば、野菜スープは理想的な副食であるといえます。
では、野菜スープダイエットは本当に効くのでしょうか?
まず、目的となる体重減量から検証していきます。野菜スープは、炭水化物や糖分を含む食材がほとんど使われていないため低カロリーにならざるを得ません。野菜スープだけを食べていれば成人女性の一日に必要なカロリー量の2000calを大きく下回ることになりますので、必然的に体重は減ります。
つまり「食べるだけでやせる」のではなく「食べる量を減らしているので痩せる」と考えるべきなのです。
野菜スープは栄養バランスが考えられているのか
第二に、野菜スープには決定的に足りていない栄養素があります。それは炭水化物とたんぱく質です。
野菜スープダイエットでは「脂肪分の少ない肉を食べていい日がある」「実行中はパンなどの小麦粉製品を摂らない」というルールを定めていることがありますが、これは栄養学的に正しいとはいえません。
炭水化物は、体内でブドウ糖に変換されすぐに使えるエネルギーとして体内に送られます。たんぱく質は長期保存できるエネルギーのグリコーゲンと細胞を作る材料に変換されます。この二つの栄養素が足りないと、人体は維持できないし、身体を動かすのも億劫になるのです。
それに、グリコーゲンが不足すると肝臓が蓄えていたグリコーゲンを放出して、体内脂肪からグリコーゲンを生成して貯蔵しなおすことになるので、肝臓に多大な負担を掛けることにもなるのです。
野菜スープダイエットはやせたままなのか
そしてダイエット最大の難点ともいえる、落とした体重がダイエット以前よりも増加してしまう「リバウンド」を野菜スープダイエットは克服できていないのです。
カロリー制限や食材制限を伴うダイエット法は、「食べるだけでやせる」を謳い文句にしているため、実行者にエクササイズを求めないことが多いのです。
その為、通常の食生活に戻ると途端に体重が増量してしまうのです。
それでは、従来の野菜スープダイエット用のレシピを改良した野菜スープのレシピを紹介していきます。
玉ネギ…3個、ニンジン…2本、キャベツ…半分、セロリ…2本、カボチャ…半分、トマト…2個、ピーマン…2個、ショウガ…1個、にんにく…4片、昆布…15g、鰹節…20g、鶏がらスープ…カップ2、水…3リットル、塩・コショウ…少々
カボチャには天然の糖分だけでなく食物繊維が豊富に含まれています。セロリやキャベツも食物繊維が含まれていますが、カボチャに含まれる豊富なビタミンを見逃す手はありません。
トマトはホールトマトでもドライトマトでも構いません。塩は食塩よりも天然塩を使いましょう。
- まず、出汁に使う昆布と鰹節はフードプロセッサーなどで粉末状に加工しておきます。野菜類は食べやすい大きさに切っておきます。
- 鍋に水を張り、昆布・鰹節・鶏がらスープを入れて火に掛けます。水の温度が上がってきたら野菜を入れます。沸騰したらアクを丹念に取っていきます。
- ショウガとにんにくは摩り下ろして、アクをとった後に入れます。水の量が減ってきたら、野菜が隠れるまで継ぎ足します。
- 野菜が柔らかくなったら塩・コショウで味付けして出来上がりです。
野菜スープの美味しい食べ方
この野菜スープは、ダイエットのためではなく栄養バランスを考えた副食です。ご飯やパンなどの炭水化物と肉や魚などのたんぱく質を一緒に摂取するように心がけましょう。
ダイエットに使いたいと言う人は、豆腐や納豆などの大豆製品でたんぱく質を取るようにして、ダンベル体操などの運動でカロリー消費を増やすようにするのがおススメです。