スープ料理は、世界中どこの国でも盛んに食べられている珍しい料理です。
出汁と具材の栄養分を摂ることができるという点や水分で飲み込みやすくするという点が、スープ料理を肉食・菜食などの嗜好や生活様式に関係なく広めた理由となっているのです。
そういった各国のスープ料理のレシピを紹介していきます!
世界各国には、それぞれの食文化を反映した伝統的なスープ料理がいくつも伝わっています。スープ料理は、食事を食べやすくする働きがあるだけではなく主食や惣菜には無い美味しさを持っているからです。
スープ料理の美味しさは、長い年月を掛けた工夫の積み重ねによるものが大きくなっています。出汁のとり方や入れる具材の決め方、アクを取って澄んだスープを作る方法などの様々な工夫が凝らされていったことで、スープ料理は食卓には欠かせない料理へと発展していったのです。
代表的なスープ料理
では、各国の食文化を代表するスープ料理にはどのようなものがあるのでしょうか。
味噌汁(日本)
味噌汁は日本料理において欠かせないスープ料理です。
大豆を発酵させて作った味噌を出汁に溶かしこんだ味噌汁は、貴重なタンパク源として日本人の健康を支えてきたのです。
味噌汁は、具材のバリエーションが豊かで作り方を知っていれば豚汁や三平汁などの料理にも応用できるという優れた日本食の代表格です。
お吸い物(日本)
味噌汁に対してお吸い物は、格式高い席で饗される料理の添え物として発展したスープ料理です。
お吸い物は他の料理の味を邪魔しないように薄味に仕立てられていますが、出汁の美味しさを純粋に味わうことが出来るスープ料理なのです。
湯(中国)
「湯」と書いて「タン」と読む、中華料理におけるスープ料理の総称です。
白濁した「白湯(パイタン)」や、澄み切った「清湯(チンタン)」などがあり、中国四千年の歴史を感じさせる素晴らしいスープ料理です。
フカヒレスープ(中国)
乾物から戻したフカヒレにスープの旨味を含ませた世界三大スープの一つです。
プルプルとしたゼラチン質のフカヒレは、美容を促進する効果があり女性にも人気の高いスープ料理となっています。
サムゲタン(韓国)
韓国を代表するスープ料理の一つです。丸鶏で取ったスープで仕立てた薬膳料理で、滋養強壮に効果のあるスープとして盛んに食べられています。
日本における土用の鰻のような存在で、夏バテ解消に効果があるスープ料理です。
クラムチャウダー(アメリカ)
移民の国とも言われるアメリカで生まれたスープ料理のチャウダーの中でも、二枚貝を使ったものを特にクラムチャウダーといいます。
クリームやバターで積み重ねられた乳製品の美味しさが溶け込んだクラムチャウダーは、アメリカ人にとっての「おふくろの味」なのです。
ボルシチ(ロシア)
真っ赤なスープが特徴のロシアを代表するスープ料理です。
寒冷なロシアの風土にあったスープ料理として人気の高い一品です。
ミネストローネ(イタリア)
イタリアを代表する家庭的なスープ料理です。
特徴はイタリア料理の特色でもあるトマトを使った赤いスープで、トマトに含まれるグルタミン酸がより美味しさを引き立てています。
コンソメスープ(イタリア)
フランス料理におけるスープ料理の代表格がコンソメスープです。
「Consomme」にはフランス語で「完成された」という意味があり、その名の通り「これ以上、手の加え様が無い」というほどに澄み切ったスープと、素材の旨味を引き出したコンソメスープはフランス料理の真髄であるともいえます。
ビシソワーズ(フランス)
冷製のスープ料理で、さわやかな味わいが特徴です。
作られたのが1917年頃で、割合歴史の新しいスープ料理です。
冷蔵庫が普及した現代では簡単に作れる料理として、家庭でもレストランでも盛んに食べられているスープ料理でもあります。
ブイヤベース(フランス)
新鮮な魚介類を豊富に使ったスープ料理です。
地中海に面したマルセイユ地方の郷土料理として愛されている一品です。
トムヤムクン(タイ)
辛味と酸味が絶妙にマッチしたタイの海老入りスープです。
暑気払いや食欲増進の効果があり、食欲の減退する夏や熱帯地方にぴったりのスープ料理です。
野菜スープ
最近話題になっているスープ料理です。
具材にした野菜の栄養分で、飲むだけで脂肪を燃焼させるという簡単にダイエットが出来るメニューとして注目を浴びているスープ料理です。
スープカレー
北海道から誕生した新しいカレーです。
鶏がらなどで取った出汁にスパイスを加え、骨付きの鶏もも肉や野菜などを具材にしたカレーは、辛さやカレー味の付いた具材の旨味を味わう通常のカレーとは一線を画す料理となっています。