聖徳太子が目指した政治
聖徳太子が目指した政治とは、力を持った豪族といえど、お上に逆らうことは絶対に許さないという、中央集権国家でした。当時は有力な豪族が数多くおり、それぞれが、それぞれの地を治めていました。宮家といえども、絶対的権力があったわけではないのです。それぞれの豪族が皇位継承権を巡って争い、政治も全く統一されていませんでした。当時の日本の政治は、天皇を軸とした豪族の連合国家だったので、天皇といえど、権力のある豪族の同意なくして政治を行うことはできなかったのです。そのときすでに中国では中央集権国家ができあがっていました。皇帝が権力を持ち、絶対的権限のある政治を行っていました。随に日本が支配されることのないよう、基盤をしっかりと持つ必要があり、太子は蘇我馬子と協力し合い、これをモデルとして目指したのです。そのためには、豪族が頂点争いをして政治を担うのではなく、宮家を頂点として政治をまとめていくことを目指したのです。これによって、冠位十二階、十七条憲法というものができていくのです。