石油化学は、石油を化学的に変化・化合させて新しい物質を作り出すための化学です。
石油化学が誕生してまだ一世紀も経っていないのですが、石油化学が現代までに生み出したものは現代社会を支えるほどの重要性を持っているのです。
石油を変化させるための方法とは
石油は主成分が炭化水素で、炭素と水素によって構成されています。炭化水素は燃焼させれば水と二酸化炭素に分解することが出来ますが、燃焼や酸化反応では石油を様々な形に変化させることは出来ません。
そこで、登場するのが「触媒」です。触媒とは、単体では何の影響を与えることは無く、特定の物質の化学反応を促進させる力を持った物質のことで、石油化学に適した触媒の発見によって石油化学の可能性が開けたのです。
石油化学の出発点は?
石油化学の原点は、「もっと石油を上手に使えないか」という欲求でした。その欲求が原油から石油製品を選り分ける常圧蒸留法を、重油からガソリンを生み出す「熱分解法」や「接触分解法」を生み出したのです。
石油製品が様々に作られるようになると、石油製品を原料にした新しい物質の研究が行われるようになったのです。
石油化学の誕生したタイミングのよさ
もしも、石油が主力エネルギーになるのが早かったら、現代のような石油依存文明は訪れていなかったでしょう。もしも、17世紀に石油が燃料として使われるようになっていたら石炭に負けていたかも知れません。酸素が確認されていなかったような時代だったなら、石油製品を作るというアイデアさえ浮かばなかったかもしれません。
石油化学が誕生した19世紀と言う時代は、「科学万能」を合言葉にして科学技術の開発・普及が国家によって推し進められていた時代でもありました。石油化学は、時代の波を受けて盛り上がっていった科学なのです。
石油化学で使われる石油製品
石油化学において、もっとも多く使われる石油製品がナフサです。ナフサは「ホワイトガソリン」として燃料用途にも使用されていますが、その真価を発揮するのは石油化学においてなのです。
ナフサのほかにはガソリンや石油・軽油、油田から原油とともに採掘される天然ガスなどが石油化学で様々な製品に変化します。