石油は、英語で「Petroleum」と書きます。
この語源は、ラテン語の「岩石の油」に由来すると言われ、石油の採掘過程をも表現しています。
つまり、ラテン語が主言語として使用されていた時代から掘り当てられていたのです。
石油の性質
一般に「石油」と呼ばれるものは、炭化水素(CH)と窒素(N)や酸素(O)や硫黄(S)で構成された油のことです。
基本的には、炭化水素が異なる組み合わせで化合した複数の油の中に窒素・酸素・硫黄が取り込まれる形で存在しているのです。これらの油は、高温で精製することによって取り出すことが出来ます。
石油の力
石油の主成分である炭化水素を形成する炭素と水素は、酸素との相性が良い元素です。
「物質が燃える」という現象は、火が燃えながら高熱を周囲に放射しながら酸化を起こすことです。つまり、石油を燃やすことで二酸化炭素と水蒸気を発生させることになります。この燃焼がエネルギー源となり、熱源となるのです。
原料としての石油
炭化水素を主成分とする石油は、炭素や水素を複合させて作り出す製品の原料としても、とても有益な物質となります。
化学的手法で合成される石油由来の製品は広範に渡り、プラスチック製品やゴム製品や合成繊維のほかにも、化粧品や洗剤などにも使用されているのです。
石油を利用する方法
石油は掘り出したままの状態では活用する方法が限定されてしまいます。
原料にしても燃料にしても使い勝手が悪く、強い臭いが発生してしまいます。そこで、掘り出した石油は沈殿によるろ過や比重を利用した浄化、熱処理による精製を行い使いやすい形にしていくのです。
物事にはリスクとリターンがあります。見返りばかりを期待しているとハイリスクに足をとられることがあります。
それは石油に生活を依存させている私たちにも言えることなのです。
石油資源の限界
地球上にある全ての資源は、いつか必ず枯渇する性質の資源です。かろうじて無限といえるのは太陽光や風力などの天然エネルギー資源ですが、これらも遠い未来に枯渇ではなく消滅すると考えられています。
この世には終わりの来ない存在はないのです。石油にしてもそれは同じことです。主要エネルギー源が石炭から石油に完全に切り替わってから、まだ一世紀ほどしか経っていません。
しかし、その間に人類は石油資源の使用量を加速度的に増大させており、今のペースで使い続けて半世紀程度しか持たないという所にまで来ているのです。
二酸化炭素量の増大
燃焼という現象は、突き詰めれば急速に酸化を起こす現象です。炭素が構造式に含まれている物質が燃焼すると、必ず二酸化炭素が発生します。
この二酸化炭素が持つ性質のひとつに「温室効果」があります。太陽光の輻射熱が地表から抜けにくくなって、ビニールハウスの中のような状態になるというのです。
温室効果によって上昇した気温は、やがて極点の氷山を溶かして水面を上昇させるだろうという予測が立てられているほどです。
大気汚染
1980年代後半まで、日本では公害が深刻な社会問題となっていました。産業の振興に対して環境保全の考えが立ち遅れていたからです。そのため、工場からの排気ガスの清浄化などを一切行っていなかったのです。
石油を燃焼させると二酸化炭素だけでなく、含まれていた窒素や硫黄が酸化して窒素酸化物や硫黄酸化物などが発生するのです。これらの汚染物質は自動車メーカーなどが改善を現在も行い続けていますが、いまだ根絶できているとは言いがたい状態なのです。
こうした石油を取り巻く事情や、石油に関する情報を取り扱っていくのがこのサイトの目的なのです。