石狩鍋

鮭を使った鍋料理といわれて真っ先に思い浮かぶのがこの石狩鍋でしょう。少し大きな和食料理屋さんに行けば扱っているところも多いと思います。鍋料理は全般的にある程度の基本形があって、それを自由にアレンジして楽しめるものが多いですが、石狩鍋もご他聞に漏れず、場所場所によってアレンジが施され、親しまれています。

石狩鍋の名前の由来

石狩鍋の名前の由来は、かつて鮭がよく取れた石狩川(北海道札幌近辺を流れる川)で水揚げされた鮭を鍋料理にして食したことからきていると言われています。江戸時代から昭和初期にかけて、石狩川河口付近は鮭漁が非常に盛んに行われていました。ここで水揚げされた新鮮な鮭をぶつ切りにして野菜などと一緒にして煮たものが石狩鍋の起源です。また、同じく北海道の帯広地方でも、十勝川から鮭が豊富に獲れていたことから、十勝鍋と呼ばれているようですね。

石狩鍋のレシピ

石狩鍋は鍋料理の特徴であるアレンジが簡単にできるものですから、これが石狩鍋の正しい作り方というものは特にありませんが、一般的に作られている石狩鍋の基本的なレシピをここでは紹介します。

  1. 鮭を下ごしらえし、食べやすい大きさに切っておく
  2. いつもの下ごしらえからです。石狩鍋はその気になれば頭などの鮭のあらも入れることができますので、その辺はお好みでいいと思います。生臭いのが苦手な人は予め湯通ししておくと生臭さがとれます。

  3. 石狩鍋に入れる野菜を適当な大きさに切る
  4. 鮭と一緒に鍋に入れる野菜ということだけ気をつけていれば、どんな野菜を入れても構わないでしょう。一般的には、にんじん・大根・ジャガイモ・キャベツ・長ネギなどを入れるようです。

  5. 鍋に水を張り、昆布を入れてダシをとる
  6. 鮭を入れるだけでダシは自然と出てきますが、予め昆布を入れてダシをとるようにするとよりおいしくなりますね。

  7. 湯が煮立ったら鮭・野菜を煮えにくい順に入れていく
  8. 鮭のあらを使う場合には、初めにあらをいれてあくとりしながらしばらく煮込むといいでしょう。後は煮えにくいものから順に入れていって煮込みます。

  9. ある程度具材が煮えたら、味噌をいれてとき、またしばらく煮込む
  10. 石狩鍋は味噌汁のように味噌味になっています。この味噌も赤味噌・白味噌・あわせ味噌といろいろな流儀があるようですが、基本的にはお好みの味噌を入れるといいでしょう。味噌以外にも、みりんやお酒などを入れてもいいでしょう。

以上で石狩鍋の出来上がりです。お好みに応じてバターをのせたり、七味唐辛子を振りかけたりしてお召し上がりください。石狩鍋を食したあと、残ったスープにうどんなどを入れて頂くのもダシがきいていておいしいですよ。

石狩鍋の魅力

石狩鍋は、ちゃんちゃん焼きではないですが、やはり大勢でわいわい言いながら囲んで自由に味付けして食べられるというところが魅力です。また、鍋料理は自由に具材を選んで入れることができ、汎用性が高いところも魅力の一つです。まあ、鍋に明らかに向いていないと思われる具材を入れるのはどうかと思いますが、それでも自分が好きだというのであれば何を入れてもおいしく頂けるのも大きなポイントですね。鮭料理の中でもちゃんちゃん焼きと並んで工夫しがいのある料理だと思います。

石狩鍋セット

世の中で石狩鍋の人気があることを裏付けるかのように、実は石狩鍋セットなる商品が販売されています。この石狩鍋セットはいろいろな会社から販売されていて、その具材も会社によって様々ですが、鮭と味噌とダシとり用昆布、あとはホタテやカニなど鮭以外の海鮮類が入っているものが多いようです。わざわざ鮭を初めとした具材を買い揃えるのが面倒だという人にはぴったりの商品です。ただし、野菜はほとんど入っていませんから、結局は鮭以外の具材は買わなければなりません。鮭その他の海鮮物だけの石狩鍋を食することもできますが、石狩鍋はやはり野菜を入れて鍋にしてナンボだと個人的には思います。折角石狩鍋を作るのであれば、野菜も一緒に入れてよりおいしいものを食べたいものです。

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