キタアカリ

キタアカリ

キタアカリというじゃがいもをご存じですか? 男爵薯から品種改良された馬鈴薯です。

まだ誕生してから30年を超えたばかりの野菜ですが、最近ではスーパーでもたまに見ることのできるじゃがいもです。

キタアカリの歴史

キタアカリ

北海道の農業試験場で昭和50年に誕生しました。目的はジャガイモシストセンチュウに抵抗力のある品種の開発です。男爵薯を基盤として、ジャガイモシスト センチュウに抵抗性のあるツニカと掛け合わせて作り出され、正和62年に登録された品種です。

名前の由来は、北海道の北の大地である育成地で、じゃがいもを線虫から守って、希望と明るさを見いだそうというところからきています。味のよさやビタミンCも多く、ジャガイモシストセンチュウにも強い品種になりました。

栽培の多くは後志や十勝、上川地方で作られていて、黄金男爵や栗じゃがなどの別名で販売されていることもあります。

形態の特性

キタアカリ

若芽には赤みがかった紫色の斑点があります。その頃の葉は紫色をしています。茎の長さは男爵薯よりも長くなり、茎の太さもほどよくあり、葉の数も男爵薯よ りも多くなります。茎の色は緑色で基部には赤みがかった紫の斑点があります。

葉の色はやや薄い緑色になります。花の色は濃いめの紫色で、花粉の量も多いた め少量ですが実もなります。皮の色は黄色で赤みがかった紫色の着色が目の部分にあります。中はメークインよりも黄色が濃くなります。

生態

芽の出る休眠期間は男爵薯よりも短くなります。

いもがつく数も多く、デンプン価は中期までは低めの傾向にありますが、結果的には16~17%と男爵薯よりも多くなります。保存性に関しては少し劣ります。

病害虫に対する抵抗力

ジャガイモシストセンチュウに対する抵抗性の遺伝子を持っていますので、バソタイプRo1に抵抗する性質を持ちます。乾腐病に若干弱いところがあります。

中心部が空洞になることはほぼ見られず、真ん中が褐色に変色して腐ってしまうことも男爵薯よりも少なくなります。

品質性

保存が長ければ長くなるほど粉質度が落ちてきますので、旨みが低下します。煮くずれは男爵薯よりしやすいでしょう。匂いはサツマイモに似ていて滑らかな舌触りです。

ポテトサラダ

外食産業に向いていて、スープやサラダなどのレシピにぴったりです。

ビタミンCは男爵薯の1.5倍、カロチンも豊富に含まれています。


キタアカリの栽培

育て方は基本的にはどのじゃがいもも一緒です。キタアカリの種芋は、近くの農協に前年の11月中旬までに予約を入れておきます。

できれば小粒の種芋をそのまま植え付けるのが好ましいのですが、大きめのものは切って使います。

キタアカリの植え付け

キタアカリは窒素肥料を少なくします。また比較的乾燥を好む品種でもあります。畝は低めにしましょう。あとで土を寄せますので高畝になるからです。

植え付けから地上に芽が出てくるまでの期間は約20日間です。芽が出て茎の長さが15cmを超えたら10cmほど土が被るようにします。太陽にあたるとキタアカリが緑色になってしまいますので、少しずつ土寄せをしていきます。

土寄せが遅いと茎を傷つけることになりますので注意しましょう。


キタアカリの収穫

キタアカリの葉が枯れて落ち、畑が乾燥している状態のときに収穫します。掘ったあとのキタアカリは日陰で半日ほど乾燥させましょう。

雨の時などに収穫すると、保存している間に腐ってしまいます。

キタアカリの保存方法

ビニールの袋などは避け、ダンボール箱や紙袋に入れて保存しましょう。キタアカリが呼吸することができるように空気の出入りがあり、温度も低温で(3度くらい)湿度は90%くらいの冷暗所で保存しましょう。

乾燥した場所での保存は水分が飛んでしまいまずくなります。


▲ ページの上部に戻る