じゃがいもとでんぷん
じゃがいもを切ったあとの包丁をそのままにしておくと、白くでんぷんがつきます。
でんぷんは様々な食品に含まれていて、ヨウ素でチェックすることができ、小学校の理科の授業などで実験したりします。
でんぷんとは
じゃがいもから作られるものは「じゃがいもでんぷん」といい、トウモロコシから作られるものをコーンスターチといいますが、そもそもでんぷんとは何なので しょうか。
料理ではとろみをつけたり、葛状にする物として利用されますが、一体どんな物なのでしょうか。でんぷんはじゃがいもだけではなく、お米やトウモ ロコシからも作られるもので、その中でもじゃがいもは地下でんぷんに分類され、ブドウ糖が鎖状に連なっているものをいいます。
とろみのメカニズム
でんぷんと水を合わせて加熱することにより、でんぷんの粒子が膨らんで壊れます。粒子が壊れることによって糊状に変化します。
加熱されたでんぷんは、元のでんぷんと性質が変わり、αでんぷんと呼ばれる物になります。加熱する前のでんぷんはβでんぷんと呼び、粒子がそのままなので、粘りもなく、水に加えても さらさらしているだけです。
じゃがいもでんぷんの性質
お米や豆類、様々なものからでんぷんが作られていますが、じゃがいもから作られるでんぷんの性質について少し触れてみましょう。
じゃがいもから作られるでんぷんにはアミノロースが20~25%含まれていて、粒の大きさも一般で売られているでんぷんの中では一番大きいものとなります。本来片栗粉はカタクリから作られるものをそう呼んでいましたが、現在販売されている片栗粉のほとんどがじゃがいもから作られたでんぷんになっています。
でんぷんの中でもリン酸が 含まれる量の多いものとなっています。低い温度でもとろみのつきが早く、透き通って粘着力の強いとろみが得られます。ところがとろみの安定性は乏しく、食塩などの塩が入るととろみが抑制されてしまいます。調味によってとろみの付き加減が違ってしまうのです。
手作り片栗粉
昭和30年代の小学4年生の理科の実験で、じゃがいもから片栗粉を取り出す授業が指導要領に入っていたそうです。現在は全く行われていないようですが、こ うした実験は子供達にとってもためになる事ですので、ぜひ指導要領に復活させてほしいものです。
ここでは片栗粉を40g作る方法を紹介していきましょう。 用意する物は200g前後のじゃがいもを2個とさらし、おろし金です。
片栗粉の作り方
- じゃがいもの皮をむきます。芽が出ていれば取り除き、青くなっている部分があったら厚めに皮をむいておきましょう。
- おろし金でじゃがいもをすり下ろします。赤っぽく変色してきますが、気にせずすり下ろしましょう。
- すり下ろしたじゃがいもをさらしで包み、水をはったボールの中で揺らしながらもみほぐします。10分ほどもみほぐしていると水の中にでんぷん質が出てきます。
- ボールの水は褐色に変色しています。分散しているでんぷん質を沈殿させるために15分前後放置します。
- 水の底にでんぷんが沈みますので変色したうわずみの水を捨て、新しい水を入れてかき混ぜます。
- これを3回繰り返し、3回目で1時間放置します。放置後、うわずみを全部捨てます。
- 底にたまったでんぷんをスプーンなどでこそぎ取ります。液状っぽく見えていたものが、こそぎ取ることで粉っぽさが出てきます。
- 空気に触れさせて乾燥させるために、表面積を大きくします。切り刻むようにして細かくし、広げて乾燥させます。半日くらいで乾燥できます。
- 乾燥が終わったら、粉の固まりをスプーンの背中で押しつぶして、細かい粒子にします。この時点で片栗粉独特のギシギシした音がするでしょう。
- これで手作り片栗粉の完成です。