豚の毛や皮を使った加工品
豚の部位は食用ばかりではありません!みなさんは天然豚皮や豚毛の加工品を使ったことがありますか?豚の皮や毛を利用して作っているものは手触りがよく、とても使いやすいと言われています。それらの加工品は牛や羊などの加工品よりも比較的やすいという特徴があります。豚皮や豚毛の加工品は、その加工方法によって様々な味わいを出せることが人気の理由なのでしょうね。
豚皮の特徴
豚皮は日本国内で唯一作ることができる原皮で、年間約1600万枚生産されていると言われています。豚皮は水分を除くと、約65%がコラーゲン(皮タンパク)です。これらのタンパク質を有用に利用することで、畜産の経済効率向上や環境保全に重要な役割を果たすと考えられています。このことから新しい資源として豚皮が注目を集めています。豚皮はピッグスキンとも呼ばれ、特徴としては、表面に3つずつ毛穴が並んでいて、キメは粗く、摩擦に強いという点が挙げられますね。ピッグスキンはなめし・加工方法により美しいツヤを出した「アメ豚」毛足のある「スエード」「ヌバック」など表情の違う個性的なファッション素材となります。スーツケースや服など使われる用途は幅広いですが、なかでも靴に一番多く使われています。国内の豚のほかにもペッカリーという種類の豚の加工品も人気なんですよ。ペッカリーは中南米、アマゾン川流域に生息している野豚の一種です。ムレにくくて、傷や型崩れにも強く、品質的には申し分ない豚皮とされています。ただ、ワシントン条約にひっかかってしまうため、入手することが難しいという欠点があります。
豚毛の特徴
豚皮の水分を除いたあとの約5%はケラチン(毛タンパク)です。豚毛については現在、皮革を製造する際に毛を溶かす方法をとっています。なので、皮革を製造する過程に限っては未利用資源として排水に溶けて、水を汚す原因の一つにもなっています。そこで、豚毛を何か違うことに有効利用できないかと考え出されたのがブラシでした。ブラシといっても、ヘアブラシや髭(ひげ)を剃るときに使うシェービングブラシ、絵筆など色々あります。特にヘアブラシに関しては、美容室や理容室でも好んで使っているところが増えているようですね。豚毛のブラシはプラスチック製に比べると静電気が発生しにくく、頭皮までしっかり届きマッサージ効果が得られます。またゆっくりと繰り返しブラッシングすることで髪に本来のツヤがよみがえってきます。さらに、毛そのものが柔らかいので肌に優しいと人気になっているんですよ。もう一つ、毛が太くて水に濡れると毛同士が固まる、ちょっと変わった特性を持っています。このことからシェービングブラシに関しても、クリームをよく泡立てて柔らかい毛先を使って顔に塗ると、すごく気持ちがいいですよ♪一般的に使われている熊の毛とは、またひと味違った使い心地を体感できるのが豚毛の魅力とも言えるでしょう。
豚皮・豚毛の加工品を買うには?
ここまで食用の部位以外に、その他の部位として豚皮と豚毛の説明や加工品について紹介してきました。ところで、豚皮や豚毛の加工品はどこで買うことができるのでしょう?昔は価値の低いものとして扱われてきた豚皮や豚毛の加工品も、ここ数年はデザインが多様化したり、特性が見直されたりしていることで、「良いもの」として好まれるようになってきました。皮・毛製品を豊富に取り扱っている百貨店などの大きなお店なら、販売しているでしょう。ほかにもインターネットで検索してみると通信販売をしているところも多いようですよ。個人的には皮製品は直接お店で、毛製品はもし近くに豚毛の製品を扱っているお店がない場合、通販で買うことをおすすめします。特に皮製品は長く愛用するためにも、実際に手にとって手触りや使い勝手、着心地などを確かめたほうかいいでしょう。