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鉛筆の濃さ(硬さ)

鉛筆の濃さ

それまで使っていたHBの鉛筆を突然、Bに替えたことがあります。普通に文字を書くだけなら、たいていの人はHBの鉛筆を使うのではないでしょうか?鉛筆の芯の濃さは温度や人の筆圧とも深く関係しています。鉛筆の濃さの特性をよく知って、どんな場面で使うのかによって上手に使い分けていきたいですね。

鉛筆の芯の硬さ・濃さとは?

 

鉛筆の芯は、含まれている黒鉛と粘土の割合によって、硬さに違いが出てきます。黒鉛が多くて粘土が少ないものは軟らかくて濃い鉛筆に、反対に粘土のほうが多く含まれている場合は硬くて、薄い鉛筆になります。芯の硬度は6Bから9Hまで17種類に分けられます。硬い芯はHardのH、軟らかい芯はBlackのBであらわされます。その中間にFがありますが、これはFirm(引き締まった)の頭文字を使っています。この濃さの鉛筆はあまり使う機会は少ないかもしれませんね。この鉛筆の濃さの表記は18世紀末にフランスのニコラ・ジャック・コンテが考案したものです。日本工業規格(JIS)では、HBなどのことを濃度記号と表現していますが、人によっては硬度記号と表現する場合もあります。表面を引っかく力の強さの基準として、これまで鉛筆が使われてきたため、一般的には硬度という表現が多く使われています。

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日本における鉛筆の硬さ表記

現在、日本で使われている鉛筆の硬さ(濃さ)の表記法を紹介しましょう。JISが鉛筆の芯の硬さを定めています。芯が軟らかい(濃い)ほうから順番に6B、5B、4B、3B、2B、B、HB、F、H、2H、3H、4H、5H、6H、7H、8H、9Hに分類されます。ちなみに、日本では1942~1945年くらいまでのあいだ、ローマ字での硬度表記が禁止されていました。現在の表記と対応させてみるとこんな感じになります。

 

二軟:2B

一軟:B

中庸:HB

一硬:H

二硬:2H


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鉛筆の濃さによる使い分け

ここまで紹介してきたように、鉛筆の硬さ(濃さ)は17段階に分けられます。Bは軟らかくて太く、Hは硬くて細いと言う特徴があるので、もちろん筆跡も変わってきます。Bだと線が太く黒色が強調され、Hだと細くシャープな線になるという特徴がありますね。この特徴から軟らかい芯は大きな筆圧が必要ないため、筆圧の弱い幼稚園生や小学生・中学生などは一般的に2B~HBの鉛筆を使います。小学生などの子供にとっては一番書きやすい硬さの鉛筆と言えるでしょう。それぞれどんな場面で、どの硬さ(濃さ)の鉛筆が使われるのでしょう?

一般事務や学校での筆記用の鉛筆

 

一般事務や学校の授業などで使われる鉛筆は、おもにHBやF、Hが多いですね。HB以上の軟らかさの鉛筆はマークシート方式の試験にも使用が決められています。しかもマークシート専用の鉛筆まで売っているんですよ。一方で、小学生の硬筆の授業では4B~6Bの軟らかい芯の鉛筆を使って教えます。特に小さな筆圧でもすんなり書くことができて、文字の輪郭もはっきり見えるくらいの濃さの鉛筆が教育機関で使うものとしては適しています。

製図用の鉛筆

2H~6Hの鉛筆は一般の製図用に、精密製図用になると7H~8Hが使われます。建築士など専門の職業に就いている人がよく使います。下絵を描くために使うので薄くて細かいラインが描ける鉛筆が最適なんですね。

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デッサンなどの絵画用の鉛筆

絵を描くときには、おもに3B~6Bの鉛筆を使います。美術関連の職業に就いている人や大学などで美術を学んでいる人に愛用されているのではないでしょうか?絵画用の鉛筆は芯の軟らかさが特徴的なため、絵に色々と変化もつけやすいですね。もちろん濃い鉛筆だけではなく、薄い鉛筆などの使って描いていくと、表情豊かな絵が描き上がると思いますよ。

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鉛筆の保存法

鉛筆の芯の濃さは温度に左右されやすく、とてもデリケートなものなんですよ。同じ硬さのものでも周囲の温度が高く、暑いときには濃くなって、温度が低くて寒いと薄くなります。この温度差から少しでも鉛筆を守り、良い書き味を維持するためにも、使い終わった鉛筆はきちんとしまっておくことが大事です。鉛筆は、どうしても芯の先が折れやすいので、専用の鉛筆キャップをつけるか、またはペンケースなどに入れておくのが好ましい方法ですね。もし、ペン立てに立てる場合は、芯の先を上向きにして立てましょう。そして、そのペン立ても温度差の激しくない場所に置くことをおすすめします。

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