燻製の工程と心得とは
燻製を作るためにはいくつかの工程があります。これは保存食としての燻製を作るためにはかかせない手順です。中には食材の下準備からはじめて実際に燻製が食べられるのは3週間後という、長きに渡る手順を踏んで燻製を作られる方もいらっしゃいます。食材によっては数日で燻製を楽しめるものもありますが、その分賞味期限の方が短くなってしまいますので、燻製を楽しみたい日から逆算して下準備をはじめてください。
基本工程を紹介!
長期保存を目的とした燻製作りの手順はむずかしくはありませんが、たくさんの手間と時間がかかります。この手間を丁寧に処理することで、燻製の出来栄えには格段の違いが出てきます。ですから時間を惜しまず楽しみながら、作業を進めていただきたいと思います。
基本工程
長期保存を目的とした燻製は以下の工程で作ります。
食材によっては塩づけ・塩出しの部分をのぞくものや、塩づけの代わりに調味料をすり込むという場合もあります。
塩づけ
はじめの作業は食材を塩水に調味料やスパイスを加えた「ソミュール液」に長時間漬け込みます。中には1週間ほど漬け込む方もいらっしゃいます。このソミュール液に漬け込むことによって、食材の隅々までにソミュール液が浸透し、空気にふれないため脂肪部分の酸化を防ぐことになるのです。
塩出し
次に塩出しですが今までせっかくソミュール液につけたのに、なぜまた塩を抜かなければならないのでしょうか。まず塩づけは味付け要素もありますが、食材の殺菌や余計な脂分を取り出すための目的でもあります。ですからそれらの余計なものを塩出しによって排除しちゃいます。また長い時間塩水に漬けられた食材は、かなり塩分が濃くなっていますので、その塩分濃度をやわらげるためでもあります。
乾燥
乾燥は長い時間塩水にさらされた食材の水分を飛ばす作業です。この乾燥をおこたると、燻煙最中にカビが発生したり、煙がうまくのらないことから食材の余分な水分を飛ばします。乾燥はいろいろな方法や道具を使って、風通しの良い涼しい場所で行い、食材を傷めないように注意することが大切です。
燻煙
燻製作りの工程で一番メインとなる作業です。丁寧に下準備をした食材を、相性の良いスモークチップやスモークウッドを使い燻製器でゆっくりと燻します。冷燻法だと1週間くらい永遠と燻す場合もありますし、温燻法や熱燻法だと数分から数時間で完成します。この燻煙作業は普通の料理とは違い、食べ物を作るという感覚ではなく、育てるというような感覚になると思います。ですから燻煙によって食材にたっぷりと愛情をそそぎ、見守るように燻煙作業を行うと良いと思います。
乾燥
燻煙したばかりの食材は温かいので、そのまま食べてももちろん美味しいですが、一晩風通しの良い涼しい場所で一度乾燥させると、煙臭さがやわらぎとてもまろやかに馴染みます。味も落ち着きますので、乾燥させて一晩なじませることをおすすめします。
燻製はこのようないくつかの工程をゆっくりと丁寧に刻むことによって、長期保存が可能になり、味も香りも豊かなものに仕上がります。作った燻製をすべてその日のうちに楽しみたい場合は、塩づけ・塩出し作業は不要な場合もあります。あとはこれから紹介する「燻製作りの心得!」を理解して楽しい燻製作りにチャレンジしてみましょう。
燻製作りの心得!
1.下ごしらえは手間を惜しまず、食材の脂分や汚れた部分は十分に取り除きましょう。
2.火を使いますので、もちろん火の元には十分注意してください。
3.熱源にカセットコンロは危険ですので使用は控えましょう。
4.ご近所さんなどの洗濯物に匂いがついたり、煙による被害などに十分注意しましょう。
5.食材を扱いますので身の回りを、消毒などで清潔にすることを心がけましょう。
6.夏場は気温も湿度も高いので、食材が腐ったり害虫も多いことなどから、避けたほうが良いでしょう。
7.失敗は成功の元ですので、自分なりの目安を作り、チャレンジしてみましょう。
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