燻製のはじまり
燻製は世界各国さまざまな都市や地域で、食材をいろいろな方法で燻製にする古くから伝わる調理法です。燻製には食材の長期保存の実現や燻すことによって害虫を寄せ付けないようにするなど、先人の知恵と工夫がたくさん込められております。遠い遠い遥か昔の人類は火を使うことを覚え、そして狩りをして調理することも覚えました。そんな太古の昔の電気もガスも水道も無い時代にはいったいどのような燻製が作られていたのでしょうか。またそんな人々にとって燻製とはどのような存在だったのでしょうか。
燻製のはじまりとは!
それでは燻製という調理法はいったいいつ頃からはじめられた方法なのでしょうか?最初から今のような美味しい燻製が作られていたのでしょうか?そんな遥か昔の燻製にはどうやら先人のある大発見から生み出されたようです。
燻製のはじまりは石器時代だった?
みなさんは燻製と呼ばれる食べ物が、いったいいつ頃から作られているのだろうかと思いますか?燻製の歴史を紐解いてみますと遠い遥か昔から燻製のようなものが作られていたようです。それは今からおよそ13,000年前の石器時代には、燻製の原型とも言える調理法が生まれておりました。石器時代と言えばわが人類の祖先が石を加工し斧ややじりなどの武器やさまざまな生活道具をその石を利用して作っていた時代です。おそらくそんなことから、動物の狩りが盛んになり、肉や魚などの食材が豊富に獲れるようになり、人口も増えたために飢えや飢餓から人々を守るため、食材の長期保存を考えたのではないでしょうか。ただ今のような美味しい燻製が作られるようになったのは、それから随分後のお話でありまして。はじめは狩りをして食べきれない肉や魚を天日に干して乾燥させただけの燻製のようです。そして人類が火を使うことを覚えたこととまもなく、炎から出る煙によって乾燥された食材の長期保存が可能になり、害虫やバイ菌なども寄り付けなくなることに気づいたようです。でもこの時代の燻製は、おそらく煙臭くて味もしなくて食べにくいものだったと思います。では今のような味も楽しめる燻製が作られたのはいったいいつ頃からなのでしょうか。
現代の燻製の原型とは!
現代の燻製は先人の知恵が込められた上、さらには現代人の味付け要素が加えられたとても美味しいものに仕上がっております。それではこのように燻製に長期保存の他、味や香りも楽しむようになったのはいつ頃なのでしょうか。それには世界中のいろいろな製法や文化が融合して完成されたようです。
古代ローマ帝国時代における燻製のはじまり
燻製に対して煙のみで乾燥させる調理法はとても長きにわたり続いたようです。その後今のような燻製が作られるようになったのは、こんな時代から徐々に燻製作りが改良されていったことのようです。今からおよそ2,000年ほど前の古代ローマ帝国時代のゲルマン民族でそのような燻製の原型が存在していたと言われております。古代ローマ帝国時代といえば、イタリア半島における巨大な都市国家としても知られており、その勢力は地中海全域にわたって領土を支配していた世界的な国家として君臨しておりました。その頃現在でいうドイツ地域を舞台にしていたゲルマン民族が従来の食材を煙で燻す燻煙法に加え、食材を塩づけで長期保存するという方法も利用していました。そのゲルマン民族による塩づけをする方法と従来の煙で燻す2つの方法が融合し、これが現代の燻製の原型となっているようです。
ヨーロッパ地方の調理法との融合
また同じ頃ヨーロッパ地方の人々の間では、肉や魚の臭みをさまざまなスパイスによって消す調理法が利用されておりました。そのことから国民はこぞってありとあらゆるスパイス探しをはじめることとなり、世界各国を航海していたようです。その当時のヨーロッパではスパイスは金銀財宝と同等の価値があるものと考えられ、医学の世界でも数多くのスパイスが利用されていたようです。
これらのことから先人の知恵である煙で燻すだけの燻煙法に加え、ゲルマン民族における塩づけ法に、さらにはヨーロッパ地方のスパイスの発見などから現在のような燻製が作られるようになりました。まさに燻製は世界各国の知恵と工夫が詰まった調理法の融合とも呼べる食べ物なんですね。
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