その他の紙
紙には用途に合わせて様々な種類があります。挙げていけばきりがないのですが、その中からケント紙と上質紙について少し触れていきましょう。どんな時に使われる紙なのでしょうか。
ケント紙
ケント紙は画用種類の中で、一番硬くて表面が平らで滑らかな紙です。製図用やデザイン用の紙によく使われ、油性のフエルトペンもにじむことが少なく使えます。ケント紙は弾力性もあり、滑らかで白さが特徴な紙ですので、光にあたり続けて変色しないように暗い場所で保管するようにしましょう。
良いケント紙
- 良いケント紙とはどのようなものをいうのでしょうか。製図に使われる場合を想定して考えてみましょう。
- 表面が強く、絵の具や鉛筆、インクがにじまずにノリが良い。
- 消しゴムをかけても毛羽立たない。
- 製図ペンやつけペンなどを使用したときにきれいに線が描ける。
- インクや絵具の発色が良い。
ケント紙の価格
ケント紙の価格は四つ切り薄口で1枚50円、厚口で1枚65円くらいがおおよその価格になります。もちろんまとまった単位でも販売されていて、小学生が工作で使うのに1枚からの購入も可能ですし、仕事でケント紙を大量に使う場合は、50枚や100枚などの冊単位での販売もされています。ケント紙は画材店や紙店で販売されていて、1枚ごとやのり付けしてノートのようになっているものがあります。
カラーケント紙
様々なシーンで活用できるよう、豊富なバリエーションのカラーケント紙があります。何よりもカラーが大変豊富です。価格は普通のケント紙よりも多少高くなります。
ケント紙と画用紙の違い
ケント紙は画用紙の仲間のようなものですが、違いは何なのでしょうか。見た目がすでに違いますので見間違う人は稀でしょう。厳密にいうと製図用紙の一つとしてケント紙と画用紙に分けられるということです。どちらも製図用紙なのですね。デザイン業界では両者をはっきりと分けています。ケント紙の代わりに画用紙を使用することはありません。ケント紙は表面が滑らかな紙ですので消しゴムをかけても毛羽立ちません。画用紙は表面が凸凹していますので消しゴムをかけると、紙の表面が削れて凸凹してしまいます。これらのことから、製図をするにあたっての平面構成や立体構成を行うときはケント紙が使われるのです。反対に、水彩画やクロッキーなどは紙の表面がザラザラしている方が向いているので画用紙が使われます。ケント紙は水彩絵の具などをはじいてしまうので向いてないといえるでしょう。厚みについてはケント紙も画用紙も様々な種類があります。kgで単位を表わし、絵を描くのであれば135kg前後くらいで、数字が大きくなればなるほど厚くなります。
上質紙
中質紙が科学パルプを70%以上含み、残り30%が砕木パルプを混ぜ合わせて作られるのに対して、上質紙は科学パルプが100%のものを言います。非塗工紙の中で最も白く、印刷効果も良いものになります。コピー用紙や書籍、カタログ、チラシなどに使われます。上質紙はパルプ繊維が作られる段階で、繊維に含まれる松ヤニのようなもので「リグニン」という成分を取り除く工程があります。リグニンが取り除かれた物が上質紙で残っている物が中質紙になるわけです。裏も表もコートされておらず、表面は滑らかですがコート層がないために、コート紙に比べて平滑性は落ちます。一方、パルプの比率が高いので同じ米坪の場合、コート紙よりも紙の腰や紙の強度、不透明さも優れています。
原料
上質紙の原料になるのは主に材木パルプですが、古紙パルプを使って再生上質紙になる場合もあります。環境保護の面から非木材パルプを使った上質紙も出回ってきました。
用途
雑誌やチラシ、事務用の伝票、ノートや原稿用紙などの印刷用途です。厚みのある上質紙はハガキや名刺に使われますし、裁断して印刷を施さないものはコピー用紙として使われます。コピー用紙はコピー機に何枚も一度に巻き込んでしまったり、コピー機の中で用紙が詰まるのを防ぐためにも静電気が起きないようにすることが大切です。色のついているものもあり、用途も様々です。
原稿用紙
一般的にはA5判サイズとB5判サイズの2種類があります。縦20マス、横20行の400字詰め原稿用紙が一般的です。一マスごとに分かれていて1文字ずつ文字を書いていく用紙になります。ふとした疑問なのですが、本やテレビドラマなどを見ていると、小説家の先生がネタに詰まり、原稿用紙を丸めて後ろに放る。本当に小説家の先生はあんなことをしているのでしょうか。素朴な疑問ですが……。
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