肩について知ろう! のページで、投球(登板)前には、充分に肩を作ることの重要性を説明しました。これからピッチングで酷使するであろう肩を温めて、故障しないようにしよう、というのが目的でした。このページでは酷使し終わった肩、つまり「投球後のケア」について説明していきます。普段のケアと、投球後のケア、両方を丁寧に行うことが故障を防ぐための必要不可欠な事です。
このページを読んでいる皆さんは、野球・変化球に興味があるということでしょうから、基本的に身体を動かすことが好きなんだと思います。さて、そういう人ならいっぺんくらいは張り切りすぎて筋肉痛というのをやっちゃったことがあるんじゃないでしょうか。筋肉痛にならないための基本としては、身体を普段から動かしておくのが大事です。
しかし、ピッチャーとして一試合全力で投げきるというのは、かなりの負担。いや、正直に言って酷使といっていいでしょう。普段から鍛えているプロのピッチャーでさえ、そのまま放置しておけば故障の原因になりかねません。それでアフターケアが必要になってくると言うわけです。
変化球はきちんとした投げ方が出来ていれば、体の負担はストレートを投げるのと大差ないものです。ストレートも見方によっては変化球になるわけですから、当然ですね。しかし色々な変化球を使いこなしていくうちに、普段使わない腕の筋肉に負担をかけたり、慣れない動作をしたせいで肩に負担をかけたりしがちです。変化球を多投するピッチャーは知らず知らずのうちに、速球派ピッチャーよりも肩に負担をかけているかもしれません。投球後のケアはますます重要となりますね。
では、実際どのようなアフターケアをすることが大事なのか? どうするのが肩や肘にいいのか? と言ったことについて考えてみましょう。ここでは、変化球スピリッツがオススメする投球後のケアについて紹介します。まだまだ楽しく変化球を投げてもらいたいですからね。
見事に投げきったならすぐ休むのではなく、ゆっくりストレッチやウォーキングなどをして、肩が凝り固まらないように。できればマッサージなどしてもらって、筋肉の血流を増やすのがいいと思います。筋肉の血流が増すと、それだけ疲労物質を早く除去してくれます。その後はなるだけ肩を休めることを心がけます。肩を冷やさないように、お風呂に入るならぬるめの湯でさっと上がるのがよいでしょう。
大事なのは肩を休めること。静養ですね。プロ野球のピッチャーが、連日登板しないのは伊達じゃありません。登板当日はもちろん、翌日も肩を休めることに専念した方が良いでしょう。練習するなら軽めのものを、下半身中心に行うのがいいと思います。
なおストレッチは、筋肉をほぐしてくれるので軽くやったほうがいいです。ただし、以上の事は翌日に肩、肘に違和感がないときに限ります。痛みはもちろん、「なんか肩が重いな・・・」といった感覚であっても、無理をしないことをオススメします。特に変化球はちゃんと肩が出来てからにしましょう。
こうして肩を休めて違和感がないようなら、少しずつ投球メニューを増やして、次期登板に備えます。要は登板日に調子がMAXになっていればいいわけですから、自分に合ったペースで調整しましょう。こうして、登板日に「肩が出来た」状態で試合を迎えられるようにするのが大事です。後は自慢の変化球と速球を駆使して野球を楽しんでください。
まったく問題のない肩の場合、以上のようなケアを心がけていれば問題ないはず。ただ、肩を酷使しすぎて炎症を起こした、または起こしかけている場合は、暖めるのはNGです。悪化の原因になるからです。
この場合は炎症を治めるためにも冷やすことが肝要と言うことになります。そのためにはアイシング(患部を冷やす治療)が必要になります。
アイシングには、アイシング用のサポーターを始め色々なグッズが揃っていますので、スポーツ用品店などをのぞいて見るといいでしょう。なお、急な痛みの場合は氷を使用して局部的にでも冷やすこと、患部は動かさないことなどが大事です。
痛み・炎症が治まったら、今度はゆっくり肩を暖めてあげます。炎症が治りきる前に暖めると逆効果なので注意。あくまで肩と相談しながら決めてくださいね。なお、痛みが引かない場合や、最初からかなり痛んでいる場合、すぐに専門医に相談しましょう。本格的な炎症の可能性があります。きちんと治療しないと再発を繰り返しかねません。とにかく、肩には無理をさせないこと。治りきるまでは絶対に投げないようにしましょう。痛みをかばおうとして無理な投げ方になってしまい、ますます悪化させてしまいます。特に変化球はその傾向が高いことを覚えておきましょう。
最初のページで話したとおり、好きな野球を長く楽しむために、無理はしないで貰いたい。それが管理人の願いです。