なにも変化球に限った話ではないのですが、ピッチングをする際大事なのが投球フォームですね。ただ、投球フォームにも色々ありまして、その投球フォームによって投げやすい変化球または投げにくい変化球というものがあります。最近話題のジャイロボールなんかは、特定の投球フォームから出ないと投げられない、なんていうものまであります。ここでは、そんな投球モーションについて考えてみましょう。
では、この理想の投球フォームを考えてみましょう。まずは野球解説書でもいいし、野球を取り扱ったサイトでもいいです。そういった理論を読んでみると、それは事細かに理想の投球フォームについて解説してくれているでしょう。ためしにその通りに投げてみて、もしも投げやすく、身体に無理がかからないようでしたら、見事に理想の投球フォームとなるでしょう。でも、おそらく大抵の人はどこかに違和感を覚えるはず。こちらが生身の人間である以上、足の上げ方や腕の振り方など、どこかしらにその人間の個性・特徴が出ることは仕方がない話です。それなのに「野球解説書にあるとおりに」まねをしきれる訳ありませんね。では、どんなものが理想の投球フォームなのかをもう少し考えましょう。
もう一回野球解説書を見てみましょう。パラパラ漫画のように、順番に写真並んでいますか? でも、大事なのはこうした写真と写真の間。つまり、脚を上げて振りかぶって・・・という"動作"が大事なのです。自分がもっとも動作しやすく、かつ安定したモーションを作る事。切り取った投球フォームが不恰好でも、モーションがしっかりしていて、それが理にかなっていれば、それがあなたの理想の投球モーションになります。逆に言えば、モーションが決まればフォームが決まってくると言うことですね。つまり、理想の投球フォームを考えるときは逆転して、理想の投球モーションを考えた方がいいということです。
そんなことは絶対ないです。どうも否定的に紹介しちゃいましたが、別に野球解説書に載っているフォームが悪いと言う事はないです。あれは、今まで野球をしてきた先輩たちが、もっとも使いやすく、安定させやすいフォームはないだろうか? と考え続けた結晶なのです。ただし、なんといっても万人向けであり、個人差まではフォローしきれないのは仕方がないところです。つまり、そういった"個人差"と言うところを自分にあわせてカスタマイズすることをオススメしているのです。理想のフォームは、ただ真似るんじゃなくて、それを踏み台にして、自分で作ってくださいね。
よくいうピッチングフォームには、オーバースロー、スリークォーター、サイドスロー、アンダースロー等がありますね。オーバースローから順に、投げる腕が下がっていきます。さて、それぞれの投げ方などは山ほど解説書があるわけですが、当サイトは「変化球スピリッツ!」なわけですから、変化球に的をしぼって紹介してみましょう。すなわち、どの投げ方にはどの変化球が向いているのか? ということです。ここでは大雑把にオーバースローとスリークォーターを上投げ、残り2つを横投げと区分して紹介します。
まずはストレート。重力にかなった投げ方である上投げでは、最大の武器になるはず。また、投球フォームを考えればわかりますが、リリースポイントが高いので、ボールはピッチャーの肩上くらいの高さからストライクゾーンまで、上から下へ軌道を描きます。つまり、もともと球が下がっていくわけなので、カーブ・縦スライダー・フォークボール・ナックルなどの変化球は威力倍増になります。さらに速球を武器にしているのであれば、SFF・カットボール・高速フォーク・高速カーブ・チェンジアップなど、速球からの派生変化球は強力な援護を期待できます。
まず、上投げと横投げとでは、最大90度近くも投げる角度が違うこと。つまり、上投げでは横回転だったカーブが縦回転に変わるのです。という事は、上投げでは落ちる変化球を投げたければ回転を抑えて空気抵抗で落とすしかなかったのですが、横投げでは回転を与えて強引に落とせるのです! これを利用した横投げ最強の変化球であるシンカー(上投げだとシュート回転)を始めとした、多彩な変化球が味方です。ただし、速球やストレートはどうしても上投げに負けるので、SFF・カットボールなどの高速系変化球の威力もいまいちと言うことになるのが弱点。どちらかと言うと変化球のキレを磨いて、打たせて取りたいピッチングフォームです。
これはまあ、ジャイロボールを投げるためのちょっと変わった投法です。ちょっと変わっているおかげで、変化球の球種にかなりの制限が入ってしまいます。ただし、実際にしっかりとジャイロボールが投げられれば、速球・落ちるボール・曲がるボールとカバーできますから、さほど苦にはならないかもしれません。なお、ジャイロボール投法は肩や肘によくない、とか逆に安全だとか意見がありますので、そちらについてはなんともいえません。正直私はジャイロボールを投げられませんし・・・
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