現代の魔球とも言われるジャイロボール。もしかしたら松坂選手がこのジャイロボールを投げているのでは?と騒がれたこともあって、今話題の変化球ですね。そこで、ここではこのジャイロボールにSFFも加えた2種類の変化球を現代の魔球、スピットボールなどの不正球を過去の魔球として考えていこうと思います。
今までの変化球は、ボールに横回転を加えたカーブ系と、縦回転を加えたストレート系しかありませんでした。それに回転をさせないフォーク系の変化球を加えて3種類。野球において、変化球とはこの3種類しかありませんでした。名称こそナックル、フォーク、シンカー・・・などなどありますが、それらはバリエーションと言うべきものでした。しかし最近話題のジャイロボールは、決してバリエーションではない、第3の回転を持った変化球なのです。初めてカーブが投げられ、今まで見た事もない変化に驚いた観客が「魔球だ!」と驚いたように、ジャイロボールもまた現代の魔球と呼ぶにふさわしい、斬新な変化球といえるでしょう。
ジャイロボールは回転軸が打者を向いて回転している球のことです。そして、同じように回転して、同じような投げ方をしていても、シームと呼ばれる縫い目をどのように扱うか? それだけで、まったく違う変化を生み出す面白い変化球(打者にとっては面白くないでしょうが)です。大雑把にわけて、ツーシームジャイロと呼ばれるもの、フォーシームジャイロと呼ばれるもの、純正ジャイロと呼ばれるものに分けられます。そして、それぞれがまったく違った変化を見せてくれるのです。
こうした変化などは新魔球?ジャイロボールのページで詳しく紹介していきたいと思います。
SFFとは、スプリットフィンガード・ファストボールの略です。あんまり長くていいにくいせいか、普通野球ファンの間ではSFFとかスプリットなどと略されることが多いようです。さて、このSFF、どのような変化球なのか・・・と思ったらタイトルで言っていましたね。異論がある人もいるでしょうが、やはりSFFというのは超高速フォークボールという呼び名がしっくり来ると思うのです。きちんとマスターすれば、ほぼストレートと変わらないフォームで投げ出され、しかも打者の手元ですっと落ちるので、非常に凡打に打ち取りやすい変化球といえると思います。変化幅は高速ゆえに少ないのですが、かえって打撃ミスを誘いやすい変化量となっているのがミソ。
ジャイロボールが、投球フォームの改善から始めなければならないなど、あまりに習得しにくい(プロ選手でさえ、ジャイロボールを投げられる人がどれだけいるやら)のに比べると、SFFは格段に習得しやすい変化球になります。もちろん実戦レベルにまで高めるにはかなりの練習を要します。メジャーリーグではかなり人気の高い変化球ですが、日本ではまだ珍しい部類に入るSFF。がんばって習得できれば、あなたの決め球として重宝する変化球ではないでしょうか? それにカッコいいですし。(個人的見解)
SFFの投げ方や握り方などの詳しい情報は現代式変化球SFF!で紹介しています。
いまではルールがしっかりしたので、ここで上げる変化球は全て「不正」であり、故意に行ったならルール違反のものばかりです。しかし、野球と言うものが発明され、さらにアメリカでプロ野球チームが作られたときは、どの不正球も全てOKでした。ルール上堂々と認められていたわけです。こうした変化球(不正球)を得意とするピッチャーは、「スピッター」と呼ばれ、大いに活躍していたのです。
考えてみると、のんびりした時代だなあとしか思えないのですが、単純な興味として、偉大な野球人たちがどのような魔球を編み出していたのか気になりませんか? 個人的に興味が沸いたもので、いろいろと調べてみました。こんなの別にピッチャー悪くないんじゃない? といったものから、そりゃダメだろうといったものまで色々とありました。ひとつ、こちらも昔に帰ったつもりで、おおらかに先人たちの努力の結晶である、不正球をたのしんでみませんか?
私の研究結果は、卑怯な変化球?のページで紹介しています。