シーラカンス

シーラカンス

シーラカンスのプロフィール

和名:シーラカンス

学名:Latimeria chalumnae

目:シーラカンス目

科:シーラカンス科

体長:100~200cm

分布:南アフリカのコモロ諸島・インドネシアの深海

環境:深海の淡水湧出場所

シーラカンスの名前は、化石のことをあまり知らなくてもよく知っているという人は多いのではないでしょうか?シーラカンス=生きた化石、というイメージを持っている人も多いですよね。名前は知っているけれど、一体どんな形をしてどんな場所に生息している魚なのかまで、詳しくはわかりませんよね。シーラカンスって一体どんな魚なのでしょう?

シーラカンスの生態について

シーラカンスの出現時期

シーラカンスが地球上に出現したのは、今から4億年以上前から3億6700万年前頃のデボン紀と呼ばれる時代の中頃です。化石によって、シーラカンスの存在は知られていましたが、白亜紀(1億4000万年前~6500万年前)以降の地層からは化石が発見されませんでした。そのため、シーラカンスは恐竜とともに絶滅した古代魚だと思われていたのです。実際には、深海でひっそりと現代まで生息していたのですけれどね。

シーラカンスの形体的特長

シーラカンスは、ヒレの数が全部で8枚と私たちがよく見る魚よりもヒレが多いのが特徴です。色はシーラカンスが濃い灰色をしており、インドネシアシーラカンスは茶色です。大きさは、画像だけではよくわからないかもしれませんが、体長と体重ともに大体人間と同じくらいといっていいくらい、かなり大型の古代魚です。これだけ大きな深海魚なのですが、シーラカンスにははっきりとした背骨が発達しておらず、脊柱が背骨の代わりを果たしています。また背骨だけでなく、骨格の多くが軟骨でできている古代魚なのです。体内には浮き袋もありますが、他の深海魚とは違い、空気が入っているわけではありません。空気の代わりに脂肪が入った浮き袋なんですよ。

シーラカンスの生態的特長

残念ながら、シーラカンスの生態はまだまだ謎に包まれているのが現状です。シーラカンスが出現していた数億年前は、現在のように深海で生息していたわけではありませんでした。浅瀬の淡水にシーラカンスは生息していたといわれています。シーラカンスは「深海魚」「古代魚」として知られているのですが、遺伝的に調べてみると、カエルに近いといわれているんですよ。

シーラカンスの繁殖方法

シーラカンスは卵を産むのではなく卵胎生という方法で繁殖していきます。『卵胎生』とは、メスが卵を海の中にうみつけるのではなく、体の中で卵を孵化させて稚魚が少し成長してから体外に生み出すことをいいます。シーラカンスが卵胎生だということは、化石の状態から想像はされていたのですが、生きたシーラカンスが体内に大きくなった卵をもっていたことから、証明されました。

シーラカンスの生息地域と見られる場所

シーラカンスが現在生息している地域として判明しているのは、インド洋に面した南アフリカのコモロ諸島と、インドネシアのスラウェシ島周辺です。生息地域は2ヶ所ありますが、シーラカンスの種類は別です。残念ながら、海の中で生息しているシーラカンスを見ることはできません。シーラカンスは深海200~700mと非常に深いところにいるためという理由と、現在もその生態がはっきりとわかっていないためです。また、深海魚であるために水温や水圧が変化してしまうとすぐに弱ってしまうということもあり、世界中のどの水族館でも見ることはできません。ですが、「アクアマリンふくしま」という水族館の調査チームが生きたままのシーラカンスが泳いでいる姿の撮影に成功しています。「アクアマリンふくしま」にいけば、映像でシーラカンスが海の中を泳ぐ姿を見ることができますよ。また、シーラカンスの剥製であれば、よみうりランドで見ることも可能です。

シーラカンスの種類

現在、シーラカンスは2種類が確認されています。これまでずっとシーラカンスは1種類しかいないと思われていたのですが、1998年に新種が発見されました。この2種類以外にもシーラカンスがいたことが化石からわかっていますが、現在発見されている2種類のシーラカンス以外は絶滅したといわれています。

シーラカンス

1938南アフリカで発見されたシーラカンスです。最初に発見されたシーラカンスは、標本にされていたのですが、非常に状態が悪くはっきりとシーラカンスとは言い切れませんでした。シーラカンスの完全標本が手に入ったのは1952年のことでした。現在では、1952年にシーラカンスが捕獲されたコモロ諸島地域で200匹ほどが獲れています。

インドネシアシーラカンス

1998年にインドネシアのスラウェシ島の市場で売られているところを発見されたシーラカンスです。地元の人は、インドネシアシーラカンスを食用としていたみたいですね。最初は、南アフリカで見つかったシーラカンスと同じ種類だと思われていたのですが、違う種類であることがわかりました。南アフリカのシーラカンスとは、外見の色が違うだけであまり大きな違いは見られません。