ライチョウのプロフィール 和名:ライチョウ(雷鳥) 学名:Lagopus muta目:キジ目 科:ライチョウ科 体長:360mm前後 分布:ユーラシア大陸北部と北米大陸北部 環境:高山地帯 |
氷河期に取り残されてしまった生きた化石として有名なライチョウ。日本においては特別天然記念物に指定され、手厚い保護の中その種を何とか守っています。しかし、迫り来る地球温暖化の脅威によって、ライチョウはその種を絶滅の危機にさらしています。
ライチョウの生態について
ライチョウの出現時期
キジ目から3000万年前にライチョウ科とキジ科に分かれたのがライチョウです。ですので、ライチョウの祖先は3000万年前には地球上に存在しています。それから、生息地によって種類が異なったライチョウですが、基本的にはその形態は変わっていません。しかし、これにはあまり物的証拠がなく、あくまで仮説といった方が無難です。ですが、ライチョウは本当に生きた化石です。その理由は、2~3万年前の氷河期で、このとこから、確実に2~3万年前にはライチョウがいたということが分かります。
ライチョウの形態的特長
猛禽類は、その足で獲物を捕まえるため、その足は強靭なものが多いのですが、雷鳥は猛禽類ではなく、動物質の餌ではなく、植物質の餌を好みます。ですが、雷鳥の足は猛禽類のように太く、爪が長いのです。動物を狩る必要のない雷鳥になぜ猛禽類のような立派な足が必要なのでしょうか?これは、動物学的にも興味深いところですね。雷鳥の足が立派なのは、岩肌を歩き、冬場には雪の中で生活をしなくてはならない、雷鳥たちが高山地帯で生活するための独特な生態なのです。このような厳しい環境下で生活していくためには、雷鳥にとって立派な足は必要不可欠なのです。
また、雷鳥は夏場と冬場の体色が大きく違うのも特徴です。雷鳥にとって天敵である猛禽類やオコジョに見つからないために雷鳥は、夏場は岩肌に紛れるように、冬場に雪景色に紛れるように、衣替えをします。
ライチョウの生態的特長
天敵に教われないためにライチョウはとても警戒心の強い生き物で、イヌワシやクマタカなどの猛禽類を警戒して、日中はハイマツの中ですごすことが多いほどです。しかし、人間に対しては、あまり人間と接触をしたことがないためか、それほど警戒心を抱かないといわれています。天候が悪いと、雷鳥は猛禽類などに発見されることを警戒して姿を見せませんが、雷が鳴りそうな雲行きになると現れることが多いといわれており、この雷鳥の行動が「雷鳥」という名前が付く理由となっています。余談ですが、アメリカで伝説上の生き物として知られているサンダーバードとは全く無関係です。
ライチョウの餌と捕食方法
高山地帯で暮らす雷鳥は、ある程度食べられる餌が限られてしまう傾向にあります。ですが、それでも雷鳥は限られた餌を食べて生活します。季節によって、雷鳥が食べる餌は変わってきます。5月から9月にかけては植物の芽や花のつぼみ、木の実などを食べていますが、冬場には常緑の植物を雪の中から掘り出して食べています。
ライチョウの繁殖方法
一夫一妻制、もしくは一夫多妻制で雷鳥はつがいを作って繁殖をします。このつがいは、片方が命を落とすまではずっと共に生活し、片方が命を落とすとそこで初めてつがいが解消される、とても夫婦間の絆が強い鳥でもあります。また、余談ですがキジ科だけあって求愛方法もクジャクなどと似ています。
つがいができた後は、オスは自分の縄張りを見張り、抱卵を行っているメスを守るような行動をとります。しかし、子供が生まれたあとオスは縄張りを解除して子育てには一切参加しません。子育ては、メス一羽で行い、子供をつれてエサを食べさせたりするのもメスの仕事です。
ライチョウの生息地域と見られる場所
基本的に高山地帯に生息している生き物なので、早々簡単にお目にかかれる生き物ではありません。また、特別天然記念物に指定されているため、生息地についての詳細も明かすのはよくないことです。ですが、あえてヒントをあげるとすれならば、雷鳥は長野県、岐阜県、富山県の県鳥です。ですから、この三つの県のいずれかであれば、見ることができる可能性があるということです。しかし、現在雷鳥はたった3000羽しかいないのです。下手に雷鳥に接触して、人間が持ち込んだ細菌、ウィルスで病気になってしまっては、免疫力のない雷鳥はすぐに滅んでしまうでしょう。ですので、雷鳥を間近で見たいとは思わない方が、雷鳥のためだと思いませんか?
ライチョウの仲間
ライチョウ(雷鳥)には会うことはできませんが、雷鳥と同じくライチョウ科に属する鳥ならば、会うことはできます。特に、日本にはエゾライチョウという種類の北海道全域に生息する雷鳥がおり、このエゾライチョウは、確実に数が減ってきてはいるものの、情報不足のため天然記念物にも指定されておらず、尚且つ現在でも狩猟の的として親しまれています。確実に数が減ってきてはいるものの、エゾライチョウは美味しいとのことで、狩猟鳥からはずすことには一部抵抗があるようです。