オオサンショウウオ

オオサンショウウオ

オオサンショウウオの
プロフィール

和名:オオサンショウウオ

学名:Andrias japonicus

目:有尾目(イモリ目)

科:オオサンショウウオ科

体長:50~60cm

分布:西日本

環境:河川

特別天然記念物として手厚く保護されているオオサンショウウオ。キャラクターとしては、色々な場面で可愛らしく描かれているものの、本当のオオサンショウウオの姿や生態については知っていますか?あまり触れることのない生きた化石オオサンショウウオについて。

オオサンショウウオの生態について

オオサンショウウオの出現時期

サンショウウオの祖先に当たる種は、恐竜が存在した時代から存在しています。ですが、姿かたちを変えずに古代から現在まで維持してきたのはオオサンショウウオです。このオオサンショウウオは、3000万年前からずっと現代までを生き抜いてきています。

オオサンショウウオの形態的特長

カエル、イモリなどの両生類の中でも最大の大きさを持つのがオオサンショウウオです。特徴的な体の模様は全て個体によって変わり、同じ模様を持った個体はいないといわれています。それ以外の特徴としては、オオサンショウウオは体が平たいのも特徴で、さらにオオサンショウウオは尻尾が良く発達しており、体の三分の一を占めているといっても過言ではありせん。また、意外ではありますが、オオサンショウウオの歯は小さいながらも鋭く、一度噛み付かれたら、まず獲物を逃がすことはないといわれています。

オオサンショウウオの生態的特長

両生類に属すオオサンショウウオの主な活動時間は夜間です。昼間にはあまり姿を見せず、また見せたとしても機敏な動きを見せてくれないオオサンショウウオですが、夜間には本領発揮とでも言うかのように、水中で機敏な動きを見せてくれます。また、オオサンショウウオは、幼生時にはエラ呼吸によって空気を得ていますが、4~5年をかけて変態し、成体になるとエラ呼吸ではなく、鼻を使って肺呼吸にかわります。

オオサンショウウオの餌と捕食方法

主にオオサンショウウオの餌となるのは、河川に生息する小魚や沢蟹などです。しかし、オオサンショウウオは目に関してはあまり発達していない生き物なので、獲物を追いかけて捕食するという姿はあまり見られません。では、どうやって捕食するかというと、オオサンショウウオはただひたすらに待ち伏せて、目の前に獲物がきたらガブリと噛み付き、捕獲完了です。そのまま捕獲した獲物はオオサンショウウオの胃袋へと送られます。基本的に人間がオオサンショウウオに触れることはないのですが、目の前を通り過ぎたのならば、とりあえず噛み付くので、オオサンショウウオの目の前で手を動かそうものならば、確実に噛み付かれるでしょう。

オオサンショウウオの繁殖方法

8月下旬から9月にかけての間にオオサンショウウオの繁殖活動が始まります。オスが卵を産む場所となる横穴の掃除などをして、メスを迎え入れるような状態にしておき、メスが入ってくるのも待ちます。オスの用意した産卵場所でメスは300~700個近くの卵を産みます。そして、産卵後はメスではなくオスが卵の世話をします。オスの抱卵ともいえる行動は、卵が孵化するまで行われます。因みに、これは卵を温めるためではなく、卵に新鮮な水や空気を送るためです。

オオサンショウウオの生息地域と見られる場所

日本の特別天然記念物として保護されているオオサンショウウオは、当たり前のことながら日本固有の生物です。そのため、日本でなくては見られない生き物なのです。といっても、日本全国にいるわけではなく、主にオオサンショウウオは西日本に生息しています。一部の地域においては、特別探さなくとも見られる場所もあるらしいのですが、基本的には種の保存のために生息地は大よそにしか生息地は公開されていません。

では、オオサンショウウオの生息環境はどういったものなのかというと、オオサンショウウオは河川の上流に生息しています。ですが、大雨や台風によって下流に流されてきてしまうこともあります。これはあくまで、オオサンショウウオは流されてきてしまっただけ出てあって、元々下流に生息しているわけではありません。戻してあげたいところですが、特別天然記念物なので、一般の方は触れることが許されていないので、保健所などに連絡するのが良いでしょう。

このほかに、展示個体としてオオサンショウウオを見られる場所としては、「日本オオサンショウウオセンター」、「姫路市立水族館」、「城崎マリンワールドSea Zoo」、「相模川ふれあい科学館」、「オオサンショウウオ保護センター」などがあげられます。

オオサンショウウオの仲間

特別天然記念物ゆえに、飼育が許されていないオオサンショウウオですが、その姿は非常に魅力的で、一度は身近にその生態を感じてみたいですよね。しかし、そんなことをした日にはお縄頂戴なので、間違ってもそんなことをするわけにはいきません。ですが、オオサンショウウオでなければいいのです。そう、オオサンショウオとは別種ですが、サンショウウオであれば飼育できるのです。では、オオサンショウウオの変わり飼育できるサンショウウオについてご紹介します。

クロサンショウウオ

その「クロサンショウウオ」という名前の通りに黒いのですが、固体によって若干模様が入っている個体もあります。オオサンショウウオとはまったく違い、イモリ並みに小さいです。また、クロサンショウウオの特徴として、前足の指の数が4本しかないことがあげられます。

エゾサンショウウオ

蝦夷のサンショウウオなので、北海道に生息しており、さらに固有種です。寒い環境にも耐えることができる種類なので、飼育にはヒーターよりもクーラーの方が必要になるかと思います。また、過去には、ウーパールーパー(メキシコサンショウウオ)のように成熟してもエラのある個体がいたといわれています。

※補足

日本に生息しているサンショウウオの多くはオオサンショウウオでなくとも、絶滅危惧種に指定され、天然記念物として国によって保護されている種もあります。ですので、野生の個体を採取して飼育するのではなく、正しいルートで販売されているサンショウウオを購入して飼育することをオススメします。また、オオサンショウウオに似た感じのする生き物として、ハイギョもオススメです。一度、ハイギョもごらんになってみると面白いかと思います。