カモノハシのプロフィール 和名:カモノハシ 学名:Ornithorhynchus anatinus目:カモノハシ目 科:カモノハシ科 体長:40~60㎝ 分布:オーストラリア大陸東部 環境:河川や湖 |
卵から生まれてくる哺乳類としてよく知られているカモノハシ。非常に珍しい生態を持っているカモノハシですが、なんと大昔からその姿と生態を変えていない「生きた化石」なのです。では、オーストラリアの一部だけに生息する生きた化石であるカモノハシについて。
カモノハシの生態について
カモノハシの出現時期
おそらく、哺乳類の中では最も歴史の古い生き物かもしれません。恐竜の栄えた中生代にはすでにカモノハシは存在していたといわれています。しかし、その証拠となるものが発見されておらず、その説はあまり信憑性のあるものとはあまりいえません。ですが、だからといって、カモノハシが生きた化石ではなくなるわけでもなく、カモノハシの化石は発見されています。その化石によって立てられた説では、恐竜が絶滅し、哺乳類が地球上に多く出現し始めた6500万年前にはすでにカモノハシが存在していたといわれています。
カモノハシの形態的特長
形態的特長は、カモノハシ全体といっても大げさではないでしょう。その中でも最も目を引く点は、大きなくちばしです。カモノハシは哺乳類ながら、カモのようなくちばしを持っています。しかし、カモノハシのくちばしは鳥類のくちばしのように固くありません。また、カモノハシの手足は小さいながら、その手と足には水かきが付いており、水の中を泳ぐために適した形態をしています。また、カモノハシの体毛は二重構造になっており、外側は防水性に富んだ体毛を持ち、内側は保温性に優れた体毛を持っています。
カモノハシの生態的特長
形態的な特徴の他にも、生態的な特徴もカモノハシはいくつも持っています。一番驚くべき生態は、カモノハシは毒を持っているという点です。この毒は、カモノハシノオスだけが持っており、主に外敵や他のオスを攻撃する時、また交尾の時などにも利用されます。この毒は、場合によっては犬が命を落とすこともあるといわれています。おそらくは、カモノハシに直接触れることはないと思いますが、覚えておいてください。
カモノハシの餌と捕食方法
水中でカモノハシは餌を得るために捕食行動を行います。この捕食行動のときにカモノハシは当然水中に入るのですが、水に入るとカモノハシはなんと目を瞑ってしまうのです。目を瞑ってしまっては、周りの状況が分かりませんよね?ですが、カモノハシは生き物の細胞に流れている生体電流を感知でき、それによって貝や小エビの存在を感知して捕食するのです。
カモノハシの繁殖方法
繁殖活動が始まるのは春からで、カモノハシの生息域において、南部よりも北部の方が、繁殖がはじまるのは早いといわれています。カモノハシの繁殖活動は、カモノハシが生息している河川の岸に掘り進めて作り上げた横穴で行われ、メスが卵を産み、さらにメスがお腹と尻尾の間に卵をおいて10~12日の間、抱卵するとカモノハシの赤ちゃんが生まれます。
生まれたカモノハシの赤ちゃんは、母親の乳腺から出る母乳を栄養源として生活し、生後6週間ほどで体毛が生えて、それからさらに目が開くようになると、短時間であれば巣から外へ出るようになります。そして、5~6ヶ月が経過したところで赤ちゃんは乳離れをして、一匹で生活していけるようになるために、捕食の方法などを親から学びます。
カモノハシの生息地域と見られる場所
オーストラリアが唯一の生息地となるカモノハシ、動物園で見られるだろうと思っている方もいるかもしれませんが、それは極稀だそうです。というのも、カモノハシは長距離の移動に適しておらず、移動中にどうしても弱ってしまうそうです。そのため、本物のカモノハシを見たいとおもったときに、確実に見ることができるのは、オーストラリアに行くことです。カモノハシに合えるという点では確実ではありますが、旅費も確実に安くはありません。ですが、本物を見るとなるとやはりそれしかありません。生きる化石であり、とても不思議な生態を持つカモノハシを見て見たいと思う方は、生きた化石の宝庫オーストラリアを尋ねてみてはいかがでしょうか?
カモノハシの仲間
哺乳類としては奇妙ともいえる生態を持つカモノハシ。そんなカモノハシにも仲間はいます。その仲間とは、ハリモグラという生き物です。「モグラ」という名前が付いているので、モグラの仲間かと思ってしまいますが、全く別物です。このハリモグラは、カモノハシと同じく生きた化石ではないかと言われています。カモノハシとこのハリモグラの主な共通点は、赤ちゃんを産むのではなく、卵を産むという点です。因みに、この卵を産んで、赤ちゃんに母乳を与えて子育てをする生き物は、この2種類しかいません。