チョウザメのプロフィール 和名:チョウザメ 学名:Acipenser medirostris目:チョウザメ目 科:チョウザメ科 体長:1~3m 分布:北半球の寒い地方の海や湖 環境:深さ50mくらいまでの砂地 |
チョウザメという魚を聞いたことがある人は多いでしょう。そう、チョウザメの卵は世界三大珍味のキャビアとしても知られています。このチョウザメも「生きた化石」と呼ばれる古代魚だってご存知でしたか?そして、実はチョウザメはサメではないのです!
チョウザメの生態について
チョウザメの出現時期
チョウザメは、古生代であるデボン紀頃には地球上に存在したと考えられています。チョウザメは「サメ」という名前がつけられていますが、サメとは別の種類です。サメの種類が出現したのは、ジュラ紀以降ですから、チョウザメの方がより原始的な生物といえるのです。
チョウザメの形体的特長
チョウザメは、見た目はサメに似ているかもしれませんが、サメではなく歯もありません。おとなしい生き物なので、噛みつかれることもありません。骨格面を見るとサメと同じように軟骨がほとんどです。サメとチョウザメの大きな違いは、腎臓があるかないかということです。チョウザメは、腎臓を持っているのでアンモニア臭くありません。チョウザメの体は硬いウロコで覆われていますが、体の側面のウロコ部分の模様が白いモンシロチョウのような柄があるので「チョウザメ」と呼ばれるようになったのです。種類によって大きさは1m前後のものから3m近くに大きくなるものもいます。顔の先端にはひげが4本ついていて、その部分だけを見るとまるでなまずのようにも見えます。このほかにもチョウザメには、サメと違ってエラ穴がないことや浮き袋をもっているなどの特長があります。
チョウザメの生態的特長
チョウザメは、北半球のしかも亜寒帯から寒帯にかけての地域に生息しています。種類によっては淡水に生息するものと海水に生息するものに分かれています。鮭のように産卵のときに川に遡上する種類のチョウザメもいるんですよ。昔は北海道の川にもチョウザメが遡上していたといわれています。ただ、鮭とは違い産卵後も再び海に戻り生活します。チョウザメの寿命はまだはっきりとしていませんが、数十年生きるものもいるようです。
チョウザメの餌と捕食方法
チョウザメは水底が砂地の場所に生息していることが多いのですが、この砂の中に住んでいる貝やエビなどを吸い込んで食べています。チョウザメには歯がないので、餌は丸呑みしています。
チョウザメの飼い方
チョウザメはあまり大きくない種類であれば、自宅で飼うことも可能です。大きくないといっても、1m近くにはなりますから、水槽はかなり大きなものが必要になります。観賞用として飼育する場合、コチョウザメがオススメです。コチョウザメはチョウザメのなかでもそれ以外の種類になってしまうと、かなりのお金持ちでないと飼う事が難しくなります。コチョウザメを購入した時は小さくても、生長した後のことを考えて水槽は、幅90cm以上、奥行きも50cm以上のものにしましょう。水温は20℃前後に保ちましょう。チョウザメのは子どもの時は淡水で生活し、大人になると海水になります。小さい頃は淡水にし、大きくなるにつれて少しずつ海水を混ぜていくとよいでしょう。餌は生きたまま与えると、チョウザメは上手に食べられないので、気をつけて下さい。
チョウザメの生息地域と見られる場所
チョウザメは淡水に生息する種類と海水に生息する種類がいます。生息している深さも10~50mをあまり深いところではありません。シベリアの川やカスピ海につづく川でチョウザメを見ることができます。昔は北海道でも遡上するチョウザメを見ることができたといいますが、残念ながら現在では見ることができません。
チョウザメの種類(仲間)
チョウザメは20種類以上いますが、代表的な種類を紹介しましょう。近年は、キャビアだけでなく、チョウザメそのものも美味しいと人気なので盛んに養殖されています。
オオチョウザメ
別名『ベルーガ』とも呼ばれ、最高級キャビアをうむチョウザメとして知られています。そのため、乱獲され、現在はかなり数が減ってしまっています。体長が4m以上にもなる大型のチョウザメです。水族館でみることができます。
コチョウザメ
観賞用として飼うこともできるチョウザメです。シベリアやカスピ海の川に生息しています。近年は食用としても日本で養殖されています。
シロチョウザメ
北米に生息しているチョウザメです。稚魚のときは黒っぽい色をしているのですが、成長するにしたがって白っぽい色になることからこの名前がつけられました。
ベステル
人工的に交配して生み出されたチョウザメです。主に養殖用として飼育されています。オオチョウザメのメスとコチョウザメのオスを交配させることにより、早く成長させ、効率よくキャビアを作ることができます。