歴史に名を残した人はそれこそ星の数ほど居ますが、その中には髭(ひげ)を生やしていたことで後世の人に親しまれている偉人や有名人もいるのです。そう言った、ヒゲを生やした偉人・有名人・戦国武将とは誰がいるのでしょうか。
髭を生やした有名人――戦国武将編
「身だしなみとして髭を剃る」という習慣が定着したのは、日本では江戸時代辺りのことだと言われています。ここでは、ひげを生やしているのが当然だった時代における、日本と中国の有名な戦国武将を紹介していきます。
中国における髭の名将:関羽
「三国志」における蜀の名武将として人気の高く、現代では商業の神様として横浜中華街などに祀られている関羽は、顎鬚・頬髯をフサフサに生やしていたことから「美髯公(びぜんこう)」とも讃えられています。武将であった関羽が商業の神様となっているのは、そろばんの発明者であると言われていることに由来しています。
日本における髭の名将:織田信長
戦国時代に「天下布武」を旗印に、日本統一寸前まで駆け抜けた稀代の武将・織田信長は日本で始めてカミソリを使って髭を剃った人物であると言われています。信長は風流人としても知られていて、お洒落としての髭剃りの第一人者であるともいえます。当時の戦国武将のほとんどが髭を生やし、伸びるままにしていたと言われています。
髭を生やした有名人――歴史上の偉人編
西洋において「髭を剃る」という行為を最初に行ったとされるのがマケドニアのアレクサンダー大王であるといわれています。ここでは、「髭を生やした欧米人といえば」というコンセプトにそって、以下の3人を紹介します。
髭の大統領:エイブラハム・リンカーン
アメリカ合衆国第16代目の大統領として、人権運動に貢献したことで有名です。リンカーンの代名詞である頬髭は、大統領選挙の遊説中に11歳の少女から「髭を生やした方が立派に見える」とアドバイスされ、威厳を付けるために髭を生やしたと言われています。
髭の皇帝:ヴィルヘルム2世
ドイツの前身となったプロイセン王国最後の国王となった人物です。歴史の授業では「3B政策」を推し進め、第一次世界大戦でドイツを大敗させてしまった王様として紹介されています。ヴィルヘルム2世が後世に残した最大の功績は、自身の「端を跳ね上げた形にセットした口髭」、カイゼル髭を作り出したことではないでしょうか。
髭の喜劇王:チャーリー・チャップリン
「喜劇王」の異名で知られるチャップリンは、燕尾服・もじゃもじゃ頭・山高帽・ステッキ・ちょび髭の五点セットでスクリーンに登場し、長らく観客を沸かせてきました。コメディアンとしても、映画監督としても一流の芸を見せてくれたチャップリンは今でも、トレードマークであるちょび髭と共に銀幕の歴史に名を残しています。
髭を生やした有名人――現代編
さて、「髭を剃ることが社会人としての身だしなみ」とされるようになった現代ではひげを自由に伸ばせるのはごく限られた層の人に限定されています。しかし若者が髭を伸ばしていると、どんなに形を整えていても無精髭扱いされるほど、「髭を生やす」という文化が日本から遠ざかっているのです。それでも、ヒゲを生やしている有名人はまだまだいるのです。
ちょび髭おやじ:加藤茶
「ザ・ドリフターズ」のメンバーとして一世を風靡した加トちゃんこと加藤茶さんは、自前の髭を生やしているわけではないものの、世間的には「髭キャラ」として認知されている希有なタレントです。ハゲカツラにビン底眼鏡とちょび髭でステテコ姿で「加トちゃんペッ」や、燕尾服でのヒゲダンスなどの代表作の印象の強さで稀代のひげキャラのイメージを獲得しているのです。
髭のスラッガー:小笠原道大
日本野球界を代表する豪腕スラッガーで、2004年のアテネオリンピック、2006年のWBCでは日本チームの大黒柱としてその存在感をアピールしました。黒々とした口髭がトレードマークで、2006年のファイターズ日本シリーズ制覇・アジアシリーズ制覇に貢献しました。しかし、2007年に北海道日本ハムファイターズから読売ジャイアンツに移籍し、トレードマークであった髭を剃ってしまったのが残念なところです。