「正々堂々と、全力を尽くす」のがスポーツマンシップと言われていますが、一部スポーツでは、スポーツマンシップはまず「格好から入るもの」とされていることが少なくありません。髭を伸ばすどころか、日常の服装に至るまで細かい規定を作成しているチームもあるほどなのです
髭がダメスポーツ・プロ編
基本的に、ルールとして選手がヒゲを生やすことを禁じているスポーツはほとんど存在しません。プロチームの独自規定の中で、髭禁止が明文化されているのです。
なぜ髭を生やしてはいけないのか
スポーツチームがひげを生やすことを禁止にしている理由には、「子供たちの規範になる選手がだらしない格好をしていてはならない」というものがあります。しかし、野球では危険球やデッドボールのたびに乱闘騒ぎを起こすほうが子供の教育に悪影響を与えていると思えるので、理由としてはいささか頼りないものになっている気がします。基本的には「統一感のある格好をすることでチームを結束させる」為の決まりごとであると考えた方がいいでしょう。
髭を生やせない球団
現在、「髭を生やしてはいけない」としている球団は読売ジャイアンツ(巨人)と、大リーグのニューヨーク・ヤンキースなどが上げられます。ヤンキースは「紳士たれ」を信念とし、髭禁止を規定にしているようです。巨人の場合、他球団から移籍してきた選手がひげを生やしていた場合は勝利に貢献することを条件に特別にヒゲを生やすことを許可する場合もあるようです。
髭がダメなスポーツ・アマチュア編
「髭を生やすことは、スポーツマンシップに反する」と考える、アマチュアスポーツもあります。
髭を生やせないアマチュアスポーツ
中高生を中心とした学生アマチュアスポーツでは、運営団体が「髭を生やしてはいけない」ことの他に「眉毛を手入れしてはいけない」と言った規定を定めている場合があります。眉毛を手入れしていたために、試合に勝利した後失格になったというケースまであるほどです。高校野球では、最近では規定が緩くなったものの「頭髪は丸坊主か短髪」という風潮自体は変わっていません。
髭を生やさないことが、スポーツの意義なのか
しかし、姿格好だけを見てふさわしい・ふさわしくないかを断ずるのはそもそもスポーツマンシップに沿う考え方なのでしょうか。スポーツに感動するのは外見が素晴らしいからではなく、選手の信念や努力が込められた一挙動一挙動を積み重ねた試合の内容が素晴らしいからではないでしょうか。本来、スポーツに参加するための資格というものはありません。その資格を狭めることは本当にスポーツマンシップに則っているのか、もう一度私たちは考え直す必要があると思います。