ダイヤモンドと人類
ダイヤモンドが発見されて以降、その魅力にとりつかれた人々は数知れません。世界で最も硬く、世界で最も美しい…それがダイヤモンドなのです。しかし、裏を返せばダイヤモンドとはそうイメージ付けられた、ある種類の鉱石でしかないのです。そのダイヤモンドがなぜ「宝石」としての価値をゆるぎないものにしたのか、人類とどう関わってきたのか…この章では、人類とダイヤモンドのかかわりについて話してみましょう。
このカテゴリーについて
ダイヤモンドが今まで人類に果たしてきた役割は、実に多大なものでした。このカテゴリーではダイヤモンドが発見され、人類と関わってきた歴史について、以下の4項目についてお話していきます。
ダイヤモンドの歴史
ダイヤモンドの別称をインド石と呼びます。初めて人類がダイヤモンドに出会ったのがインドであったことの由来とも言えるでしょう。インドには、このほかにもさまざまな宝石が産出することで知られ、経済発展に大きく寄与してきました。
しかし、インドでの生産量が少なくなり始めるとブラジル、ブラジルが翳りだすと南アフリカ…と、次第に産出国はシフトしていきました。そして、その産出量も桁違いのもになっていきます。その大規模な生産体制を整えたのは採掘技術の向上でした。
この章では人類がはじめてダイヤモンドを手にしたときから、現在に至るまでのダイヤモンドの歴史を紹介していきます。
ダイヤモンドの産出国
ダイヤモンドは通常キンバーライトという火山岩の中に含まれています。キンバーライトは地下ではマグマであり、地下深くからマグマが噴出し、冷えたものです。つまり、このキンバーライトが無ければ、地下深くで静かに生成されたダイヤモンドを人類が発見する事はなかったかもしれません。
ダイヤモンドの産出国というのは、このキンバーライトに恵まれた国ということですね。残念ながら日本は恵まれなかったようです。では、このキンバーライトに恵まれた国とはどこだったのでしょうか? 昔は主要生産国だった国は今でも生産をつづけているのでしょうか?
ここでは、ダイヤモンドを産出する国についてお話します。
ガリバー、デビアス
デビアス社をご存知でしょうか? 「ダイヤモンドは永遠の輝き」で世界史上最も成功したといわれるコピーを考えた、ダイヤモンド関連企業です。
ダイヤモンドの流通の半分近くを押さえる実力を持ち、ダイヤモンドの流通・販売について話すときには、デビアス社を避ける事はできません。一企業でありながら、真正面からイスラエルとの経済戦争に打ち勝ったこともある経済力はどこからきたのでしょうか?
また、ダイヤモンドの流通と安定にこの会社がもたらした功罪とはどのようなものだったのでしょうか? ダイヤモンドの世界において、まさに童話のガリバーさながらにそびえ立つデビアス社。この章ではそんなデビアス社について紹介していきましょう。
ダイヤモンドの流通
ダイヤモンドは掘削しただけではただの石…せいぜい、世界一硬いだけの石ですね。これが光り輝くダイヤモンドリングに変わるまでには、さまざまな流通経路を経る必要があります。そして、中間に人が入れば入るほど値段も高くなっていくわけです。
ここでは、ダイヤモンドがリングに変わるまでの工程と、その主要加工地、その間のダイヤモンドの値上がり等、ダイヤモンドの流通の謎について迫っていきます。
コラム:ダイヤモンドを作る
ダイヤモンドというのは、炭素の集合体であるわけなので、炭や油煙、石墨(グラファイト)などは仲間というか親戚です。これらをもしも高温・高圧の状況に追い込むことが出来れば合成ダイヤモンドが出来上がるのです。
実際には高温・高圧という環境がかなり大変なので、おいそれと出来るものではありませんが、こうして作られた合成ダイヤモンドは、その組成などにおいてほとんどかわりません。
(実際は合成しやすくするため、触媒を使うので少々異物が混ざる)美しさを第一とする宝石にはとにかく、品質の一定化・大量生産しやすいことが肝心な工業用製品については合成ダイヤの方が都合いいくらいです。
摸造ダイヤを見破れ!
さて、もう一つダイヤモンドを「作る」方法が模造。イミテーションです。古くはガラス玉、最近では代用鉱石などを使うために、本物と見分けがつかなくなってきています。
これらを見破るのは困難なのですが、その検査方法も現在では数十種類を数えます。これだけの検査を行えば、まず見破ることが出来るのでしょうが、逆に言えばそれだけ模造ダイヤが人々を悩ませてきたということ。ご用心、ですね。