ドライカレーはチャーハンなのか
日本は本場インドに勝るとも劣らないカレーが大好きな国の一つです。旧陸軍・海軍がカレーをメニューに取り入れ普及を促進し、「少年よ、大志を抱け」のクラーク博士がカレー食を奨励したなどの様々なエピソードが残されています。それほどに日本の食文化に浸透したカレーの中には「ドライカレー」というものがあります。通常のカレーに比べて、乾燥した状態に近いほどに水分を少なくしたカレーなのですが、二つの「ドライカレー」があるのです。一つはスパゲティのミートソースのように肉を主体にしたもの、もう一つはご飯にカレーを絡めて炒めたものです。この後者の「ドライカレー」は、チャーハン(炒飯)の一種ではないのかと言うことなのです。
ドライカレー・ガーリックライス・チャーハン
また、ドライカレーのようにチャーハン(炒飯)に似た料理があります。鉄板焼き屋やステーキハウスで出されるガーリックライスです。ドライカレーとガーリックライスは、卵を使っていないチャーハンといっても過言ではないほどにチャーハンに似ています。これは、日本に伝わる前後にチャーハンの影響を受けたことで現在の形になったと考えられています。それを裏付けるように、ミートソース状のドライカレーはハンバーグの元になったタルタルステーキの影響を受けていると言われています。
カレーチャーハン・ドライカレー
また、チャーハン型のドライカレーとは別にカレーチャーハンがあります。味付けの段階でカレー粉をまぶし、チャーハン全体にカレーの味を付けたものです。チャーハン型のドライカレーはどちらかと言えば、ピラフに近い工程を踏んで作るものです。しかし、このカレーチャーハンとドライカレーは混同されている節があるのです。ピラフにしてもドライカレーにしても、このように源流は同じであるチャーハンと間違われるというのは、ある種の通過儀礼と言えるのかもしれません。
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