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チャーハン雑学
中国4000年の歴史が誇る食文化の結晶・中華料理によって、現在の形が作られたチャーハン(炒飯)ですが成立以後は、様々な形で各国の料理に影響を与えていきました。そんなチャーハンにまつわる幾つかのエピソードについて。
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ドライカレーはチャーハンなのか
日本は本場インドに勝るとも劣らないカレーが大好きな国の一つです。旧陸軍・海軍がカレーをメニューに取り入れ普及を促進し、「少年よ、大志を抱け」のクラーク博士がカレー食を奨励したなどの様々なエピソードが残されています。それほどに日本の食文化に浸透したカレーの中には「ドライカレー」というものがあります。通常のカレーに比べて、乾燥した状態に近いほどに水分を少なくしたカレーなのですが、二つの「ドライカレー」があるのです。一つはスパゲティのミートソースのように肉を主体にしたもの、もう一つはご飯にカレーを絡めて炒めたものです。この後者の「ドライカレー」は、チャーハン(炒飯)の一種ではないのかと言うことなのです。
ドライカレー・ガーリックライス・チャーハン
また、ドライカレーのようにチャーハン(炒飯)に似た料理があります。鉄板焼き屋やステーキハウスで出されるガーリックライスです。ドライカレーとガーリックライスは、卵を使っていないチャーハンといっても過言ではないほどにチャーハンに似ています。これは、日本に伝わる前後にチャーハンの影響を受けたことで現在の形になったと考えられています。それを裏付けるように、ミートソース状のドライカレーはハンバーグの元になったタルタルステーキの影響を受けていると言われています。
カレーチャーハン・ドライカレー
また、チャーハン型のドライカレーとは別にカレーチャーハンがあります。味付けの段階でカレー粉をまぶし、チャーハン全体にカレーの味を付けたものです。チャーハン型のドライカレーはどちらかと言えば、ピラフに近い工程を踏んで作るものです。しかし、このカレーチャーハンとドライカレーは混同されている節があるのです。ピラフにしてもドライカレーにしても、このように源流は同じであるチャーハンと間違われるというのは、ある種の通過儀礼と言えるのかもしれません。
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チャーハンはレンゲorスプーン?
家やお店でチャーハン(炒飯)を食べる時、スプーンやレンゲを使って食べることがほとんどではないでしょうか? 一部の人は箸で食べることもあるようですがチャーハンはパラパラしているので箸では摘みづらいので割愛します。「本場中国ではレンゲで食べる」からレンゲを使っている人、「一度に沢山のチャーハンが口に運べる」からレンゲを使う人。「レンゲよりも掬いやすい」からスプーンを使う人、「なんとなく」でスプーンを使う人と、理由は様々ありますがレンゲとスプーンの使用率は拮抗していると言っても良いでしょう。
食べやすさか、こだわりか
炒飯の本場である中国で使われているレンゲは、ラーメン用のレンゲよりも浅めになっているチャーハン用のレンゲがあります。つまり、日本に普及しているラーメン用のレンゲでは食べにくいと言うことなのです。しかし、器用にラーメン用のレンゲを使ってチャーハンを食べる人も少なくありません。また、家ではスプーンでチャーハンを食べる人もお店でレンゲを出されたらレンゲでチャーハンを食べるのです。つまり、「チャーハン=レンゲ」と「チャーハン=スプーン」という認識は、対立しながら共存しているという摩訶不思議な状態になっているのです。
炒飯に相応しい食器は
では、スプーンとレンゲではどちらが炒飯に相応しいといえるのでしょうか。こだわりから考えればレンゲですが、食べやすさを考えればスプーンかもしれません。しかし、八角形のお皿に盛り付けられた炒飯ならやはりレンゲが相応しいと思いますし、丸い皿に盛り付けられているのならスプーンが相応しく感じます。結局のところ、炒飯に相応しい食器は、皿・スプーン・レンゲの組合せで決まるものなのです。
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