はじめての四川料理
ホイコーロー 四川料理特有の香辛料 四川料理のレシピ 中華のお供「紹興酒」

ホイコーロー

ホイコーローは、中国四川料理の一つとして漢字で「回鍋肉」と書きます。日本では見ることがありませんが、実は「回国肉」という俗名も持っています。「回国肉」は、故郷を離れた人が国に帰ったとき食べる料理とのことで「懐かしい料理、郷土料理」の意味が含まれています。「回鍋」というのは、鍋に戻してもう一度調理するという意味で、材料を先に茹でてから油で炒めるホイコーローの作り方を説明しています。

ホイコーローの創始人

ホイコーローは、中国清の時代、成都に住んでいた秀才が作り出したそうです。科挙の試験に何回も失敗した彼は、山の奥に身を隠し料理の研究に専念する日々を送るようになりました。彼は研究の末、お湯で先に豚肉の臭みを取り、その後油で炒めるホイコーローを作り出しました。お湯で豚肉を通すと肉の臭みを取るだけではなく、肉に含まれているたんぱく質の流失を減少することができます。秀才が作ったホイコーローを食べた人は、その絶妙な味に絶賛したそうです。

ホイコーローの昔話

ホイコーローは、四川の人が昔生活改善のために旧暦の一日から十五日の間食べたご馳走だそうです。日本では1月1日がお正月ですが、中国のお正月は1月1日ではありません。中国のお正月は旧正月と言って、毎年旧正月の日にちが変わります。中国では旧暦の1月1日から15日までお正月期間と言って、いろんなご馳走を食べます。昔は今と違ってお肉を食べることがめったにできなかったので、ホイコーローはお正月しか食べられないご馳走だったそうです。貧しい時代四川の子供たちは、ホイコーローが食べられるお正月を毎日首を長くして待っていたそうです。

ホイコーローのお肉は豚肉?それとも牛肉?

四川には3千万の世帯がありますが、ホイコーローは一千万種の作り方があるとされています。ホイコーローの主な材料は言うまでもなく肉です。ホイコーローに使う肉は基本的に豚肉を使いますが、中国では近年「牛肉回鍋」というメニューが流行っていて、「ホイコーローの肉は豚肉」という固定観念は消えつつあります。肉を一度茹でてから油で炒めるという作り方さえ守れば、ホイコーローと呼ぶわけです。ホイコーローは肉を使っているのでカロリーが高いというイメージがあるかも知れませんが、肉をゆでるとき余分な油を落としているので思ったよりカロリーは高くありません。

ホイコーローレシピ

材料

  • ☆ ブロック肉 … 250グラム
  • ☆ ネギ … 3束
  • ☆ にんにく … 5粒
  • ☆ 生姜 … 少々

調味料

  • ★ 豆板醤 … 大さじ一杯
  • ★ 甜面醤 … 小さじ一杯
  • ★ 砂糖 … 少々
  • ★ しょうゆ … 少々
  • ★ 中華スープの素
  • ★ 塩 … 少々
  • ★ サラダ油 … 大さじ一杯 (オリーブ油、菜種油でも良い)

作り方

  • 1. ブロック肉を切らずに沸騰したお湯の中で15分間煮立てます。
  • 2. 火を通したブロック肉を取り出し、冷ましてから薄切り(好みのサイズで良いです)にします。
  • 3. ネギは3センチぐらいの段切りに切ります。
  • ※ポイント
  • 日本ではホイコーローの野菜にキャベツや白菜を使うことが多いですが、中国ではネギを使うことが多いです。ホイコーローの色をきれいに出すためには、葱の青い部分を多めに使ったほうがいいです。また葱を使うとキャベツや白菜と違って茹でる手間がかからないので、簡単にホイコーローを作ることができます。
  • 4. フライパンが熱くなったところでサラダ油、薄切りにした豚肉を入れ炒めます。
  • 5. お肉の色が変わってきたら、豆板醤、甜面醤、砂糖、しょうゆ、中華スープの素、塩を入れ2分ほど炒めます。
  • 6. お肉の香りが漂うところで、葱の段切り、ニンニクのみじん切り、生姜のみじん切りを入れ素早く炒め仕上げます。
  • ※ポイント
  • 葱の代わりにキャベツや白菜を使う場合は、先に茹でてから食べやすいサイズに切ります。
  • ※注意点
  • 炒め時間が長すぎると葱の色が悪くなるだけではなく、葱の香りも逃げてしまうので、炒め時間を極力短くしたほうがいいです。そのためには、火力を強にして短時間で炒めるのがポイントです。