時代の変化からみた四川料理
中国で四川料理は「川菜」と呼ばれ、「正宗川菜(本場の四川料理)」という看板を中国のいろんな所で目にすることができます。中国の人は、味が豊かで大変刺激的な四川料理を好んで食べます。中国研究者の話によると、古代巴蜀の時代から「尚滋味」、「好辛香」の飲食習慣があったそうです。貴族やお金持ちの人は「厨膳」、「野宴」、「船宴」、「遊宴」など数多くの名前の宴会を開いては四川料理を楽しんだそうです。清の時代になって四川料理は、貴族やお金もち専用の豪華料理ではなくなりました。一般人も「家宴」、「田席」、「上馬宴」、「下馬宴」などの名前で四川料理を楽しむようになりました。
四川料理に貢献した移住者たち
四川以外の地域から四川に来た人たちは、自分たちの元もとの飲食習慣も同時に持ち込みました。中国の安徽、山西、山東、雲南、貴州、河南、江蘇などの地域から四川に移住した人々は、その地方の元来の飲食習慣を守りつつ四川料理に同化していきます。
移住者たちの影響で四川料理は「南の料理を四川風」、「北の料理を四川風」にアレンジするなどして発展を遂げました。四川料理は、伝統を守りながらも他派の良いところを吸収し取り入れることを積極的に行いました。
四川料理が中国の人、そして日本人、世界の多くの人に親しまれているのは、このように昔からいろんな地方のいろんな料理をミックスしたのと大いに関係があります。
|
「長所を取り入れ短所を補う」四川料理
四川料理の発展は、豊かな自然と伝統習慣のほか外来の経験を積極的に吸収し、取り入れたことに関係します。
四川料理は宮廷料理、少数民族の料理、外国の料理など民族や地域に関係なくいろいろな料理から経験を学び、「自分」を充実していきました。良いところはすぐに吸収し、良くないところは素直に修正しました。中国古代の時代、戦争で巴蜀国に勝った秦国は中原の飲食習慣を元の巴蜀国に持ち込み広めました。
清の時代、他方から四川に移住した人は益々多くなり、自分たちの料理を四川に持ち込むなどして四川料理の発展に大きな貢献をします。
四川料理の歴史的変遷
四川料理は高級宴会式、一般宴会式、大衆四川料理、家庭四川料理に分けることができます。四つに分類した四川料理は、自分各自の特徴を持ちながらお互い調和していて、「四川料理」という大きな中華料理を形成しています。しかし、昔は高級宴会式四川料理しかなく、一般人は四川料理とは縁がなかったそうです。高級宴会式四川料理は、厳選した食材(主に山と海の幸)で複雑な調理過程と高い技術を必要とします。大衆四川料理と家庭四川料理は、いつでもどこでも手に入る食材と調味料で作るのが基本です。経済的かつ味と栄養のある四川の家庭料理は、我々日本人もごく普通に食べています。マーボー豆腐、チンジャオロース、マーボーナス、タンタン麺などは最も体表的な四川の家庭料理です。
|